心待ちにしていたアイが今年も咲き始めた。
遥か30年も前、川俣の染織家山根正平先生からいただいたアイの種が、いつしか庭一面に広がり、毎年咲いてくれる。
花穂は控えめに背伸びして紅に染まり、凛とした清楚なたたずまいがとても爽やかだ。
傷んだ葉が藍色に枯れている。古人はこの興味深い事実から試行錯誤を繰り返し藍染めを確立した。
やがて化学技術がその色の素を突き止め、石油から色素インジゴを合成した。
ひととき草木染めに興味を持ち、藍染めにも挑戦、伝統文化と科学技術の関わりを考えたこともあった。
いつか染めた藍色のろうけつ染めハンカチを今も大事に使っている。
居間に掛かる趣味のスケッチ,藍一色の磐梯山には、空に達治の詩を添えた。
「かえる日もなきいにしへを そはつゆ草の花のいろ はるかなるものみな青し 海の青はた空の青」
アイの葉に隠れる青色の遙かなるものを思い浮かべた。
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