新聞の購読料集金のときASAの小冊子「暮らしの風」を戴いた。1月号の特集「冬の水ものがたり」があった。内容は、・雪の結晶を見てみよう ・水の姿は7変化 ・雪と氷の実験室 など、とても興味あることがわかりやすく書かれていた。その記事の監修に「神田健三:中谷宇吉郎 雪の科学館」とあった。いつか見た「ダイヤモンドダスト」の実験が懐かしく思い出された。
5,6年前に、石川県加賀市にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」を見学したことがあった。館長の神田さんは、当時の私の勤務先の同僚の義理の兄さんで、私と同じ出身大学であったこともありご挨拶をした。そのとき館内を案内していただいたことを思い出した。
科学館見学がきっかけで、その後中谷宇吉郎や寺田寅彦の随筆集を揃え、しばらく熱中して読むことになった。
まだ元気なころの春のはじまり、小さな冷凍庫の中でキラキラ輝くダイアモンドダストと共に、初めて訪ねた北陸、石川、福井への小旅行を懐かしく思い出した。
以下は、そのころ北国新聞の読者欄に掲載された駄文である。
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感銘受けた 雪の科学館
先日、加賀市の雪の科学館で、雪の研究で知られる中谷宇吉郎の世界を垣間見た.
神田館長さんじきじきに冷凍庫の中でダイアモンドダストをつくる実験をして下さった。後から、館長さんが高校時代の恩師の一言から宇吉郎に出会い、特別な思いを寄せながら雪の研究に関わり続け、いろいろな縁で現在に到ったことを知り、その劇的な人生に感動を覚えた。 これまで宇吉郎について学ぶ機会がなかったが、これを機に「中谷宇吉郎随筆集」を求め読み始めた。彼に多大な感化を与えた恩師、寺田寅彦の追憶の文章からは、同時に二人の自然観、科学観を学ぶことができた。「雪は天から送られた手紙である」と言った宇吉郎は、また雪について「何時までも舞い落ちてくる雪を仰いでいると、いつのまにか自分の身体が静かに空に浮き上がっていくような錯覚が起きてくる。」と書いている。まさにそんな体験をした覚えがあるが、私は大好きな雪景色にどれほどこころ癒されたか知れない。 科学館を訪れ中谷宇吉郎博士からさらに大きな感動を貰うことができた。(2003.4)
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吹雪の止んだ庭に出た。愛用の30倍のルーペで雪の結晶を覗いてみた。溶け始めた結晶は美しく生き物のようだ。
ブルーベリーの紅い葉に雪が生き生きしている。チラチラ舞う雪のむこうに青い空が見えてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/74/7132626351daa4b96f66b4200941f3d3.jpg)
この現象をダイアモンドダストと教わったのは、はるかな昔のことです。
「落ちてくる雪を仰いでいると、何時の間にか自分の身体が静かに空に浮き上がって行くような錯覚が起きてくる」
私は 灰色の雪がとめどなく落ちてくる空に向って、真逆さまに落ちてゆくような錯覚を覚えたことがあります。
隼人君へのご声援とお祝いありがとうございました。
きちんとお伝えいたします。