エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

晩秋の鶴ヶ城

2006-11-22 | 街中散歩
      【木々も葉を落とした 鶴ヶ城 天守閣】

 天気予報では、午後からは冬型に変わり、風も出て寒くなり、雨から雪に変わるかも知れないという。午前中、穏やかな晴れ間に誘われ、久しぶりにお城・鶴ヶ城を廻ってきた。
 四季それぞれに美しいお城をときどき訪ねているが、少し遅い紅葉に囲まれた天守を見たいと思った。
                                  【会津嶺の歌碑】
 

 三の丸跡の県立博物館側から本丸を目指した。途中の万葉歌碑と秋月悌次郎の碑の前のモミジは真っ赤で目が覚めるように美しかった。
会津嶺の歌碑 (「会津嶺」は、現在の磐梯山)
  会津嶺の 国をさ遠み 逢はなはば 偲ひにせもと 紐結ばさね
 (巻14-2326)
【安比豆称能久称平佐杼抱美安波奈波婆
     斯努比称勢毛等比毛牟須婆佐称  萬菓集巻十四陸奥國歌】

 二の丸では、はらはらと黄色いケヤキの葉が散り、晩秋のたたずまいが実に素晴らしかった。南向きの土手に、季節はずれのリュウキュウツツジがきれいに咲いていた。珍しいのではないだろうか。













     【雪吊りの作業が続く本丸】

朱塗りの廊下橋を渡って本丸へ、 橋の両側には「忍者落とし」と呼ばれる、長さ130㍍、高さ50㍍の見事な石垣が広がっていた。
 
本丸は、今は雪吊りされた多行松が美しく植えられた広場で、現在は南東の一隅に茶室麟閣だけが昔の姿を残す広い広場になっている。回りを鉄門と、最近復元された走り長屋で囲まれている。
 南西の隅の月見櫓跡からの天守閣がまた美しい。手前のサクラはすっかり葉を落として、枝だけになってしまった。この月見櫓の前に荒城の月の碑があるが、土井晩翠は旧制二高時代、取り壊された鶴ヶ城跡を訪れ、名曲「荒城の月」の作詞のきっかけを得たといわれている。
鉄門(くろがねもん)を通って西出丸へ回り、お掘りを眺めた。
 静寂のお堀は、錦に色づいた紅葉が水面に映り美しかった。カルガモがゆっくりと泳いでいた。西出丸から北出丸へ回り、本丸、武者走りの石垣を通って廊下橋へ戻った。あちこちで白亜の天守閣を写真に撮りながら、一周約40分の散歩だった。
 今度来るときは、お城は雪に埋もれているだろう。
【美しいお堀の水面】




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