いま騒がせている、豊洲の汚染報道がどうも基本的な問題からずれているので外部からの問い合わせに答えるのに時間がかかる。
どこかの過去の事例がなかったか記憶をたどると明治の終わり頃の事件を思い出した。伊藤博文がハルピンで暗殺され、日本で国葬の記事が出ていた頃の話である。
11月2日大阪朝日新聞の記事から始まる。ある醤油メ-カ-に使用禁止となっている添加物を使用している報道があった。当時は食品衛生を監督する官庁は警察であった。新興の醤油業者と既得権を守ろうとする醤油業者の戦いでもあった。新興の醤油醸造家はサッカリンという人工甘味料を使用していることが判明した。
明治政府は日清・日露の戦争の戦費をまかなう為、さまざまな税収増大計画をした。砂糖消費税もその一つだった。日本の領土となった台湾砂糖業を振興し、外貨を浪費すると見ていた砂糖輸入を抑えようとした。さらに明治政府は台湾砂糖業を阻害する人工甘味料を食品として添加使用する禁止した。
政府は医者・学者・新聞報道を利用し、サッカリン有害説を流布した。サッカリン禁止の法律は糖尿病治療のための使用とか個人で使用するときは禁止ではなかったため、密かに使用されていた。サッカリン有害説は石炭から作られていたことから始まる。当時でもタ-ル系は有害であることを知られていた。
警察の力が通じない軍隊ではサッカリン入り沢庵が納入され、戦争末期には堂々と許可された。砂糖が手に入らなくなったためである。戦後サッカリンは課税品となり、アメ横で人気商品となった。当時を生きた日本人はほぼ全員サッカリン入り食品を食べていた。今再びサッカリンは使用制限されている。
サッカリンは製造方法が簡単で純粋なサッカリンは無害であるが不純物のあるサッカリンは有害であることが知られている。
サッカリン有害説は税金問題であったことを知る人は少ない。豊洲の移転問題は築地の土地を欲しがる人と動きたくない人の豊洲の土地は食品へ有害だと言う人の泥論争である。今の築地の流通で食品へ汚染するまで滞留しているのだろうか。先取りが大部分で蓋さえ開けないで流通している。
築地衰退の原因は今でもネット環境の整備されていない設備にある。仲の悪い仲卸は一つ間違えるとマグロの価格が暴騰する競争世界である。