明治42年11月18日東京朝日新聞
不正醤油処分は如何
その筋に中毒者なきか
日本醤油醸造の不正醤油は大阪府における約450石、兵庫県における約1万石の他に岩手県においても約400石の発見があり、同社がこの不正醸造関係はよほど注意深い計画のもとに行われたるものの如く、かのサッカリン(輸入)課税問題の出ると約百万円近くの見込み輸入決行し現在なお当該品(サッカリン)を多数貯蔵しているならばこの不正醤油は上記一府二県に限らず、おそらくはその販路とともに各府県にわたり、発見することは難しいことではない。むしろ東京においてその発見がないことが不思議でならない。ことにその罪悪はサッカリンの甘味を付与することに止まらず防腐剤としてホルマリン含有の疑いありというに至ったのは食料品衛生上近来に無き大事件である。
その筋に中毒者なきかとは当時アヘン中毒のようにサッカリンが習慣性をもたらすか心配していた。
解説 サッカリン関税
明治39年11月1日よりサッカリンの輸入関税が斤15銭から60円となったので、これを見越して輸入が急増した。東京読売新聞データベースより
1斤は約600G 関税が400倍となった。これでは砂糖の代わりにサッカリンを使う必要性が薄れる。
明治41年2月24日 東京読売新聞
サッカリンの密輸が増加しているとの報道。
不正醤油処分は如何
その筋に中毒者なきか
日本醤油醸造の不正醤油は大阪府における約450石、兵庫県における約1万石の他に岩手県においても約400石の発見があり、同社がこの不正醸造関係はよほど注意深い計画のもとに行われたるものの如く、かのサッカリン(輸入)課税問題の出ると約百万円近くの見込み輸入決行し現在なお当該品(サッカリン)を多数貯蔵しているならばこの不正醤油は上記一府二県に限らず、おそらくはその販路とともに各府県にわたり、発見することは難しいことではない。むしろ東京においてその発見がないことが不思議でならない。ことにその罪悪はサッカリンの甘味を付与することに止まらず防腐剤としてホルマリン含有の疑いありというに至ったのは食料品衛生上近来に無き大事件である。
その筋に中毒者なきかとは当時アヘン中毒のようにサッカリンが習慣性をもたらすか心配していた。
解説 サッカリン関税
明治39年11月1日よりサッカリンの輸入関税が斤15銭から60円となったので、これを見越して輸入が急増した。東京読売新聞データベースより
1斤は約600G 関税が400倍となった。これでは砂糖の代わりにサッカリンを使う必要性が薄れる。
明治41年2月24日 東京読売新聞
サッカリンの密輸が増加しているとの報道。