年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

明治42年11月27日大阪朝日新聞

2007年03月20日 | 福神漬
明治42年11月27日大阪朝日新聞
○ 日本醤油の払込説
日本醤油醸造株式会社はサッカリン問題に関し、極力(もみけし)運動をとったせいかどうかサッカリンの混入は分量次第にて有害ならずとの珍決定を受けるに至って、一度危機に迫った同社はここに至ってようやくその命脈を取り留めた観がある。一般の消費者の頭に染み込んだ同社製品の不信用は挽回することは到底困難なるを以って、一時的に失敗を取り繕っても損の上塗りをするだけでこの際はむしろ解散するしかないという株主の一部の有力な説としてとなっている。これと共に重役はじめ大株主は継続説を強固に主張すると共に払い込み説を主張している。その理由として『今解散すれば最大の資本を占めている機械代及び鈴木前社長に支払った特許代は無価値となり、土地建物は競売の対象となってわずかばかりのものになるに過ぎず株主は殆ど得るところはない。重役連が継続説を強固に主張するのは大阪某銀行より借用金百二十万円に対し十余名の重役・大株主の連帯保証となっているためで、しかも連帯保証している人で実際弁済能力のない人があるからこの借金を背負わないようにする為でないか。』要するに解散の声を聞いて必然的にこうむる損失を避けようとする方策で同社株主はもっとも注意を要す時である。

日本醤油の払込説とはまだ資本金にあてる株式代金が全額入っていない。会社の継続の様子を見せて残りの株式代金を払い込みさせようとしていたのか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする