年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

大阪の朝日・毎日新聞の報道姿勢

2007年03月02日 | 福神漬
明治42年11月6日大阪毎日新聞
ライバルの大阪朝日新聞に出し抜かれたので記事の量も少なく淡々と書いてある。
日本醤油分析
兵庫県警察部にては日本醤油醸造株式会社の製品中サッカリン含有のため大阪警察部に於いて検挙したという報を聞き直ちに神戸市内の同会社製品販売店より製品を徴収して分析に着手し、また、xx衛生技師を四日尼崎の同社工場荷派し前社長鈴木藤三郎氏について審問を試み、かつ同工場より五日各地に積み出す製品2700樽は分析の結果が出るまで積み出しを差し控える。同会社は最近甘口が好評のため大阪販売店の見本品にのみサッカリンを混合したまでで一般には少しもサッカリンを混合していないと言い訳していた。

明治42年11月6日大阪毎日新聞
日本醤油株の投売り
日本醤油株は一時7~8円の相場を保っていたがその後5円台に落ち込み昨日は更に低落を進め当限2円30銭の一値、中物2円55銭寄り付き2円60銭引け、先物3円5銭寄り付きの3円10銭引けという殆どボロ株のような価格を示すに至った。前述のような相場は実際の売買値段にあらず、いわゆる市場の言い値をつけたもので当限の如くは某商店より1円50銭売りを叫び、むやみに安値を唱えるのも不穏当であるというので手控えている有様である。17円50銭の払込の株式はわずかに2円30銭となったばかりではなく現物市場にては相手なしという状態で実際の値段は幾らになるだろうか認めがたいものがある。このような激落をもたらした原因はかねてからの同社製品の不評からすでに株式の下落をもたらしたものであるから株の売物があっても買い手は無き状態であるので到底株価回復する様子は無い。折からここ二三日来不正製品の検挙となりしかも事件の内容を見れば同社の損失は莫大なものに上がり。あるいは会社の存立もおぼつかないと伝えられた結果、全く投売り相場となり、市場の伝える所によると従来同社の損失額150万円に加えるに今回の不正品の損失とすれば一層巨額となり資金の固定と損失を加えれば350万円の払い込み資本も余す所わずかなるかも知れずこの際営業方針を一変する方法を見つけなければ鈴木式醸造法を踏襲すれば自滅に至る他無いという者が多い。株式が無価値と等しい相場となるのはあえて不思議ではない。

日本醤油醸造株の動向についてある記事は少なく、現在の未公開株騒動に似ている。

コメント
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