日曜日にあった劇団の反省会。
僕が劇団に参加した12年前から、何かと気をかけてくれていた姉様。
何でも、自治会の役員やマンションの管理組合の役員になったとかで
今季限りで、一旦劇団を離れることになった。
いわゆる『退団』ですね。
姉様は高校生の頃に演劇部に居て、全国大会で優勝した経歴を持つ。
だから、普通の人に比べると器用で、芝居もそこそこ上手い。
ただ、プロの目から見るとそうじゃないのですね。
今回の公演の稽古は、そういう意味で姉様は仕草や表情、
台詞の言い回しなど、かなり注文をつけられた。
本人からすれば、ある程度自信があったのだと思うし、
実際に他の人と比べると、一つ抜きんでているようにも見えた。
だから、今回はかなり落ち込んでいたし、プライドも崩されたんじゃないかな?
主役の人が、背骨の病気で降りることになり、その代わりに姉様が抜擢された。
でも、その相方である僕は、座長に『この台本のイメージからは無理』
と、姉様の起用を反対したのです。
そんな事も、辞める理由にあるんじゃないかなぁ?
僕はちょっと責任めいたものを感じたりします。
その姉様が反省会で僕に辞めることになったと、直接話してくれた。
その時に『少しは引き留めてくれるかと思ったんだけど・・・・』
と、ぼやいていた。
僕はその言葉を聞いて、ちょっとがっかりしました。
座長は『去る者は追わず』だと、皆が思っている。
でも、僕はそれは違うと思う。
引き留めて貰って、残るのなら最初から残ればいい。
そんなのは、卑怯な駆け引きでしかないのです。
僕も座長と同じで『去る者は追わず』の主義です。
頼んでまでやって欲しくない。
仕事でも遊びでも、辞めるのは『やりたくないから』なのですよ。
それは諸事情があるかも知れない。
それでも、本当に好きならば、何とか続けようとするものです。
そのあたりが女性と男性の違いなのかな?
劇団のオバサンたちは、男性社会の厳しさを判っていない。
だから、褒めて欲しいだとか、引き留めて欲しいだとか・・・・
男性はそういう点ではクールです。
会社を辞めると決めた人間を、引き留めたりしない。
辞めようかと悩んで、相談されたときでも引き留めないんじゃないかな?
と言うのは、代わりはいくらでも居るからです。
一人居なくなっただけで、ダメになる組織は所詮はその程度の物。
男性は、そういった社会の厳しさの中で生きているのです。
今は女性も、そういう感じの方が増えているのでしょうけれど、
何処かで、そうじゃない部分を持っているんじゃないかな?
こんな事書いたら『女性蔑視』と言われそうですけどね。