立ち合いが終わったとは言え、まだ懸案事項が残っていた回収装置。
基本性能を確保できたので、これからは細かい不具合の手直し。
まず、ミストを液体の中を潜らせて回収することは上手く行った。
ところが液体に潜らせる時に発生する泡の飛沫が、吸い込まれて、
予想以上にダクトへ飛び込んで、ポンプの中に溜まる可能性が出て来た。
幸いなことに、最終的な排気口には全く付着しないので、
ポンプに飛沫が吸い込まれないように、どうすればいいか色々考えた。
それで液体の泡を、すぐ上に追加したアクリルの板にぶつけて、
泡を潰すことにチャレンジした。
結果は上々だったが、それでも板の横から今度は物凄い勢いで
液体が吹き上がるようになってしまい、結局のところは量こそ減ったものの
完璧にトラップすることが出来なかった。
次にチャレンジしたのが、てんぷらの油切りに使う、
ステンレス製のバットに敷かれているステンレスの網の上に、
同じくステンレスのたわしを敷き詰めた物を置いた。
空気が通るけれど、飛沫はステンレスに引っかかって
上に抜けて来なくなった。
家庭用の何処にでもあるようなものを使っての実験。
それでも他に思い当たる物もないし、製作すると時間がかかる上に
コストも高くつくので、それをそのまま採用することにした。
今やっているのは、いわゆるプロト機。
開発や実験機と言うのは、プロト機を作って基本的な部分を確認して
もう一度作り直すのだけれど、受注価格が僕が提示した価格の1/4。
つまり、一回作ったらそれを何とかしなくちゃならない。
作り直したら、もっと簡単に作れて、性能も出るのだけれど
安い値段でほぼ赤字の製品を作っているから、そんな事は出来ない。
残るは騒音対策。
実は、別の手立てをこっそり考えてある。
でも、騒音に関してはお客さんとの間でも、仕様に入ってないから
『別途』と言う事で、予算を確保してもらうことになっている。
その予算で、少なくとも赤字分は解消しないとやった意味が無い。
それでも、出口が見え始めている装置。
年内に何とか、形になりそうです。