昨日は帰りにちょっと道を間違えて、釜石自動車道を
花巻方向へ向かってしまい、途中で気が付いてルート変更して、
北上市から北上江釣子(えずりこ)ICから東北道に乗ったので、
予定していた水沢ICより北へ15Kmほど距離的にロスをした程度で済んだ。
その後は順調にドライブして、最初の前沢SAでガソリン補給、丁度30Lでした。
前の日から走行距離が525Kmなので、17.5Km/Lの燃費。
1500ccのガソリン車としては、かなり良い燃費性能ですね。
僕は若い頃に、仲間から『お化けカローラ』と呼ばれる
27Km/L走るカローラに乗っていたので、この車は2代目かも知れません。
そんなこともあって満タンで東京まで500Kmの道のりは
十分に走れるので、ちょっと色気を出して帰りは少し回り道して
仙台から海岸線よりに走る『仙台東部道路』を経由して
常磐自動車道で東京まで帰る事にした。
と言うのも、原発被害の南相馬や浪江町のあたりを見てみたかったから…。
ところが、これは止めておけば良かった。
原発被害の深刻さを目の当たりにするのは、覚悟していたのだけれど
常磐道までの道のりは『放射能』が飛び交っている真っ只中だった。
南相馬のあたりから道路の両側に放射線線量計が設置されていた。
その数値は最初0.1~0.2μSV/H。
この量は僕にとってちょっとびっくりだった。
年間被ばく許容量とされている1mSV(シーベルト)を考えた時、
1mSVを時間単位の量に換算すると
1000μSV(1mSV)÷365日÷24時間≒0.12μSV/H
この値は僕の頭にインプットされていたからです。
つまりこの場所に居たら、普通に年間被ばく許容量になってしまう。
それから先へ進むと、その数値が少しずつ上がって行く。
浪江町あたりでこの線量計は3,1μSV/Hになった。
さっきの30倍です。
それに高速道路の周りには住宅地があるのに、人が住む気配がしない。
民家の屋根は瓦が落ちていたり、蔦が絡まって居たり・・・・
牧草地っだと思っていた場所は、全て田んぼの跡に雑草が生えて居たもの。
水たまりから池になってしまった場所も点在する。
この水には放射能が、しっかり溶け込んで居るのでしょうね。
高速道路の脇には、重機と黒い袋が並ぶ『除染ごみ』置き場。
それが至る所にあって、人の気配もない。
こんな場所に帰還して住ませようなんて、余程の阿呆が考える事。
もしくは『他人事』の人が、そんな事を言うのですね。
僕は仙台を超えた時から、窓を閉めて送風もFRESH(外気導入)を止めて
RECYCLE(内部循環)に切り替えて、エアコンを入れた。
車の中に放射性物質が入るのがいやだったから、
もしかして思ったより線量が高かった場合・・・・に備えてでした。
残念ながら、その予想は的中してしまいました。
被災地は支援さえすれば、その土地でもう一度やり直せる。
実際に被災者の方たちは、がんばって自らの力で復興し始めている。
でもね、ここは被災地ではない。
原発事故の『被害地』であり『被害者』なのです。
帰りたくても、帰る場所は人が住める場所じゃない・・・・
少なくとも僕は子供にこんな環境で生活してもらいたくない。
この責任は国にあるのでしょうかね?
それとも再稼働のために海水注入を躊躇った東京電力?
誰の責任でも『被害者』が自分の故郷を失った事は変わらない。
こんな惨状を見ても『原子力発電は安全』と言っている政府。
利権やら、政治がらみのお金のためならば、将来を犠牲にしても構わないのです。
申し訳ないけれど、もう2度と常磐道経由で東北へは行きません。