最近は毎日カタクチイワシが豊漁である。そんな時は雑魚などは非常に少なく、面白い魚に出会う機会が少ない。そんな中、今日は仲買の人から見てもらいたい魚があると電話が入った。急いで向かうと魚の入ったビニール袋を見せてくれる。中にはワラスボが1尾泳いでいた。話を聞くと近くの河口で捕ったとの事。この方はシラスウナギ漁をしている人で、ライトを水面に照らして行なっていたら泳いできたそうだ。よく見ると顎にヒゲがあり体も赤っぽく、有明海に生息しているワラスボとは違う事は分かったが種名は分からない。何より驚いたのがワラスボとは別種であれ、その仲間が近所で捕れた事である。魚ボラの標本用に提供して頂く。大発見ではないかとワクワクしながら帰り同定するとチワラスボのようである。ネットで調べると各地の河口での採集例が載っている。大発見というほどの珍しい魚ではないと分かるが、鹿児島での採集例は見つからない。また、この個体は生きているのでとりあえず魚ボラの先生に電話して大学へ持ち込む。大学で調べると県内での採集報告も見つかったが、魚ボラ用の標本としてまだ未登録であったので標本登録する。このチワラスボは採集を行なったところで恐らく見つける事のできない魚だと思うので、今回の標本提供は非常にありがたい。また最近、ブログがネタ切れ状態だったのでこちらとしてもありがたかった。
*コガネチワラスボ(新称)に再同定されました(2021年7月)
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