17時40分、機関車に牽かれた特急寝台「日本海」が大阪駅10番ホームに入線。
群青色のきれいな車体。
発車まで7分ほどしかなく、あまりゆっくり写真も撮れず列車に乗り込む。
旅愁を誘うプレート。
こんなのを駅で見かけると、乗ってみたい・・・と、いう誘惑にかられたものだが、今日はこの列車に乗って青森へ行くんだ。
嬉しいという気持ちと、青森まで長いなぁ、そしてどんな旅になるんだろう・・・という不安が入り混じる。
私にあてがわれたのは右側の下段。
左側にどんな人が乗ってくるのだろうか?
心配だったが結局左側1番の上下段は最後まで誰も乗ってこなかった。
車内放送では、この日は全寝台が満席とか。
もしかしたら、この1番上下は予備の席として発売されずに置いてあるのだろうか?
だとしたら、この1号車2番下段がベストな席ではないだろうか?
上段ベッドの柵は頑丈なベルトだが、落ちないかちょっと心配。
座席に敷くシーツ、カバーのかかった毛布、枕、浴衣、ハンガー、スリッパの備品。
枕元には明るい読書灯。
片方に寝台が並び、通路を挟み窓は日本海側にある。
喫煙車だったが、夏休みなので子供連れの乗客も多く、気の毒にと心配するが、私と同じように喫煙車しか空いてなかったらしい。
しかし、喫煙する人は2~3人で、匂いや煙が充満する事はなかった。
喫煙者は減ったなぁ・・・と、実感。
狭い通路だが、腰掛ける折りたたみ椅子がある。
懐かしい紙コップ。
敦賀あたりだったろうか、月が見え陽が暮れようとしている。
A寝台を覗いてみた。
急行「きたぐに」と同じ並び方で、通路を挟み両側に寝台が並ぶ。
寝台幅は90センチ超でB寝台より20センチ程広い。
いい乗客と乗り合わせた。
オープンキャンパスで小樽まで行くというS君。
気さくで、おばちゃんの話もうんうんと聞いてくれる。
そして優しい!
京都から乗り込んで来た老ご夫婦は、下段が空いてなくて二人共上段。
「あれぇ・・・」と、奥さんの困った声を聞き、すかさず彼は自分の下段を譲ってあげる。
私でもあのタラップを上り下りする上段は嫌だから、その奥さんも上段なら困った事だろう。
かくして、そのご夫婦は3番の上下段。
S君は、私の上の寝台で一夜を明かす事になった。