平城遷都1300年記念『奈良マラソン2010』を無事に歓走・完走して、翌日はご褒美にと家族・兄弟でのんびりと、奈良公園内の世界遺産の中でぶらりと散策して、古都奈良の魅力を堪能してきました。
この日も気持ちよい快晴の小春日和となり、奈良公園内を一周して世界遺産や鹿と触れ合いながらの散策すべく、興福寺~東大寺大仏殿~二月堂~三月堂~若草山~春日大社~飛火野~猿沢池~ならまち~JR奈良駅のコースを、約5時間かけて歩いていた。
興福寺では、中金堂は再建工事中でしたが、三重塔・南円寺・北円堂・五重塔などの松林の広がる境内を周遊したが、最古の八角円堂と聞くその景観は、モミジ色なす中で実に美しい。
最大の関心は、国宝館で三面六臂の阿修羅像など仏像などの多くの国宝が展示されおり、奈良観光の人気スポットで期待していた。
入館に混雑が予想されていたが、特に予想された混雑はなかった。「天平の美少年」と称されて、東京国立美術館でも大人気となり、阿修羅像ブームと聞いていたが、眼の前で拝観すると、特別の感動するものは無かった。
顔の表情は、確かに泣いているようにも微笑んでいるようにも見えるが、拝む人の感じ方次第で大きく表情が変わるそうで、見る人の感性の問題なのだろうか?管理者には、なぜ阿修羅像だけが、人気を呼んでいるのか納得するものは無かったので、仏像に対して特別な関心のない自分は、感性がないのだろうか・・・・
東大寺へ移動して南大門前に来ると、前回訪問時と同様、多くの鹿に迎えられ、すりすりされて餌のおねだりを受け、鹿せんべいを求めて与え始めると、一挙に我も我もと集まってきて口を突き出しての仕草は、憎めなくつい小鹿や可愛い方へと与えてしまう。
南大門では、左右に配置される「阿形や吽形の金剛力士像」が、形相に近い顔で迎えており、長年の経過で色が褪せているが、その立体感は実に力強い迫力である。
大仏殿に入ると、こちらも差ほど混雑もなく、館内の大仏とは半世紀?ぶりの再会であるが、その金堂とともに、その大きさは実物を見ていると本当に大きいと実感した。また、鎌倉の大仏は、何度も見る機会があるが、時代の背景からか表情は全く違うようである。
大仏殿の中を一回りしてみたが、仏を自由に写真撮影が出来るとは、ビックリでした。仏像は観るものだはなく、拝むものであると認識していたが、有難さが半減するようようにも感じながら撮影していました。
次のスポットである二月堂へまわりお水取りの舞台から眺める景色は、快晴の中で大和路を見下ろす絶景であった。この日は、前回見つけられなかったスケッチスポットである裏参道へと行ってみると、やはりこの日もスケッチ族が3人筆を走らせていた。その方は、毎週、東大寺界隈を描きにきているそうで、その画も素晴らしかった。
また、和服の女性が通りかかったが、実に風景にマッチしていて、思わずシャッターを押していた。
さらに若草山へと向かうと、ここでも山に入っている人は無かったが、なだらかな山姿をバックに、鹿の姿が初冬の陽を浴びてのんびりと休息している光景は、独特の美しさが見られた。
古今和歌集の「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも」(阿倍仲麻呂)の歌は、この辺の光景を詠んでいるのだろうか?と、仲間が言い出したが、あっそうなんだ~と思いながら耽っていた。
紅葉に色づく水谷神社を経て春日大社に向かい参拝して南門を出ると、無数の石灯籠や釣り灯籠が並んでおり、聞けばその数は境内に2000個以上あるそうで、節分には全ての灯籠が灯される万灯籠の儀式があるそうで、その光景はどれほど幻想的なものだろうか
表参道を歩きながら、両サイドに延々と続く灯籠はさながら灯籠街道のようである。
参道から飛火野を歩くと、広大な広場には人影も疎らで昼寝をする鹿もいて、初冬の古都の風景なのだろうか・・・
さらに鷺池に進んでいくと水面に映る浮見堂の光景も美しく、しばし、休息して水琴窟の音色などを聞き、猿沢池を経由して「ならまち」の伝統の古い町屋の街並みを見てみたく、訪れたところ生憎の休業日だった。
丁度マラソン後の脚の疲れも出てきていたので、古都の雰囲気もたっぷりと味わい、鹿との戯れも楽しんで、車中の人となり奈良を後のした。
三笠の山にいでし月かも・・・