今年も恒例の『今年の漢字』が、日本漢字能力検定協会から京都清水寺の舞台で揮毫されて発表された。全国からその年の世相を表す漢字一字を募集して、最も応募数の多かった漢字として、「漢字の日」に因んで発表された。
各界著名人の「私の今年の漢字」もいろいろ発表されていたが、作者の人生を表しているようで面白い。
予想していた訳ではありませんが、今年の世相を思うとき明るい話題が少なく、希望に満ちた漢字が選定されるとは、考えられなかったので、勝手に数文字を選んで見ていたが、 『暑』は想定外の文字であった。
管理者の予想した漢字は、願望も込めて『健』・『龍』・『明』を、世相を考えて『迷』・『乱』・『政』などを予想していたが、どれも外れており、記録的な猛暑が健康や生活、自然環境に影響を及ぼした一年を反映したようで、猛暑の夏を連想する『暑』に納得していた。
発表された応募数(28.5万票)をみて、比率は5.09%と少ないが、票数は断トツだったようで、やはり今年の猛暑は、多くの人に耐えられない暑さだったようだ。もろもろの社会情勢も暑さを増長させたのではなかろうか?
また、清水寺で揮毫された和紙は、毎年我がふるさとの越前和紙が選ばれているようで、見事な筆運びと墨の流れに、これぞ越前と気分良くなっていた。
一方、『創作四字熟語』も、住友生命から先日発表されたが、こちらは文字数が多いだけに、世相を見事に表し風刺の効いた優秀作品が多く、思わず「うまい~」と納得できるものが多い。
優秀作10点を見ると、『棄想県外 (奇想天外)』や『就職渇望 (就職活動)』は、「最低でも県外・・からの紆余曲折」や「就職氷河期」を表現したそうで、お見事と思わずうなっていた。
他にも「菅鳩交代(新旧交代)」、「領土悶大(領土問題)」・・・など、今年の政治・国際社会の不安定を表現したものが多くみられ、国民のイライラ感がよくあらわれていると思う。
漢字には、そもそも自体が意味を表しイメージを連想するので、漢字文化は実に面白く、常用漢字も大幅に追加されたので、ますます奥深いものとなりそうだ。
今年も残り少なくなり、来年の「漢字」や「創作四字熟語」こそ明るいWordを期待したいと願わざるを得ない。