今年も国立新美術館で開催されている「第30回 白峰社書展」にお招きを受けて、出かけて着ました。
今回も、役員の方々の作品103点、公募入選作品317点が、大作など広い会場2室を埋め尽くされており圧巻でした。
会場に入ると白峰社の先生方の素晴らしい大作が目に飛び込んできたが、中でも高い天井まで届くような最大の作品の「千字文」が30回記念大賞を受賞されており、吸い寄せられました。
役員の方に伺うと、「千字文」というのは過っては書道を習い始める教本として、異なった千文字を使った長文だそうで、よく見ると4字熟語などが並んでおり、作品を見ながら懸命に自分の名前などの文字を探していた。
また、天井に届くような大作が毎回目を惹くが、今回の大作では、最も心を捉えられたのが「雨・風・・・遠いとおい海で風が・・・」 で、鳥が飛んでいるようなイメージを受けましたが、説明文によると、詩文書を下敷きにして造形文字に仕上げられたそうで、大文字と小文字のバランスが絶妙な現代書となっている作品だそうです。
さらに白峰社の先生方の作品が目を惹きましたが、毎回迫力ある「書」を拝見しており、文字で表現する美しさが、多姿多彩な表現に感嘆しました。
また、注目したのは「千字文」に対して、「一文字書」が実に多く、先日「今年の漢字」が「金」として選出されましたが、会場では、樹・為・熱・馳・我・甦・繋・華・乱・激・翼・翔・・・・・など約50作品が展示されており、その文字が今年を象徴しているようで、大変興味深いものがありました。
今回の白峰大賞を受賞された「馳」や「日本海に稲妻の尾が入れられる」 もその運筆や墨が踊る美しさに、最も魅かれました。
今回もご案内をいただいた知人の作品「したたりて青海原につらなれるこの列島を守りたまへ・・・・」 も流れるような薄墨の書体にうっとりと魅せられました。
作品制作へのイメージ発想から造形に至る過程と共に、作品作成のご苦労などを聞き、現代書の無限に広がる現代アートの素晴らしさを感じて会場を後にした。