夜の大阪はやけに寒かった。
向側の27階のレストランから見えた目指すお店のウインドウの前に立つと仄かな春の香がしたように思えた。
企図されたものであってもそこには確かに匂い立つ桜の空間があった。
しかし行こうとしたお店はITやカメラの店だったのでイメージと合わなかった。
ところが店内に入ると先ずファッションの店があってそこはまるでスプリングファッションのお花畑のようだった。
肝心の店はその奥にあった。
なんと1階のフロアは全面携帯電話オンリーで面喰らってしまった。
カメラもコンピュータもオーディオも・・・何から何まで田舎では想像出来ない種類の品物が揃っていた。
とてもじゃないけれど一時間や二時間では時間が足りない。
それよりも体力がないと欲しいものも捜し出せない。
一番興味を引かれたのは、大好きなマックのコーナーの充実ぶりだった。
田舎の街であ日本一の電器店が出店していてもマックのコーナーなどない。
今度もし買うことがあれば一度見に来て実地検分することにしよう。
ああ都会はいいけど人に疲れてしまう。
夜の八時も九時にもなってどんどんお客が入って来るなんて、一体どうなっているのだろう。