トップ賞と一票差のこの句は、晴れやかな気分の朝に鳥の渡りがとてもよく合います。
作者童子さんからは、(コロナで入院していた幼馴染のお父さんが退院されるのでお祝いに、丘の上のケーキ屋さんでイチゴのスイーツを買いました。退院の様子の想像句です。)とありました。非体験でありながらその場にいるような臨場感です。作者の細やかでやさしい想像力が生きています。
竹葉さん: 髭を剃って迎える退院の爽やかさと嬉しさが「朝」「鳥渡る」でよく表されてると思います。
晴代さん: さっぱりとした心も顔も空を見上げています。
千香子さん: 自宅へ帰る喜びが伝わってきました
遅足さん、容子さんもとられています。
退院の喜びに、鳥の羽音は拍手のように聞こえたかもしれません。鳥の渡りが、活気ある新しい幕開けを予感させてくれる良句と思いました。
季語「鳥渡る」は
日本で冬を越すために北の方面から多くの鳥が渡ってくることで秋の季語です。逆に暖かくなって北に戻っていくことを「鳥帰る」といい、こちらは春の季語です。
夏鳥といわれる燕や時鳥はどうだったかな?南方から飛来する渡り鳥は「渡る」のか「来る」のか?いろいろ考えてしまい実のところ苦手な季語です。私は「渡る」というと遠くに行ってしまうイメージでしたが、「渡り来る」ということなのですね。
「鳥渡る」「渡り鳥」「小鳥くる」は秋。
「鳥帰る」「鳥雲に入る」は春です。(少し浅いまとめでした 笑 )
渡り鳥に関しては年間通じて素敵な季語があり、もう少し勉強が必要と感じています。 郁子