ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「命を粗末にするな。」

2017-12-05 21:57:15 | 「育」業
近年心痛むのは、10代を中心とした子どもの命が大切にされずになくなっていくニュースをよく見ることだ。
簡単に人の命を奪ったり自らの命を失うことが起こったりしているのは、この世の中を歩いてきた大人として、苦しくなる。

先月、話を聞いた大学の先生が、自らの子ども時代のいじめ経験を語りながら、
「つらかったけど、あの頃は、子どものぼくに自死するという選択肢はなかった。」
とも言っていたことに、私は自分の経験上痛く同意した。

振り返ると、50年ほど前、われわれの子ども時代には、「命を粗末にするな。」と口をすっぱくして言う大人が今よりたくさんいたような気がする。
ともすれば、それを言っていた大人たちが、戦争で失われた命があったことを重くとらえていたこと、身近な人を失う悲しみを知っていたことなどが大きかったのかもしれない。

それに比べて、今は命を失うことが軽く見られているような気がしてならない。
現代の子どもたちは、人間関係にもまれて育つことが少なくなり、傷つきやすくなっていると感じる。
家にいるだけだと、他の人とのかかわりがほとんどなく、傷つくことは確かに少なくなる。
それに比べ学校では、級友や年上・年下の子どもたちとのかかわりが生まれ、楽しい経験もするが、思い通りにならない経験も味わう。
だからといって、自分や人の命を軽んじる言動をするのは間違っているとわかってほしい。
子どもたちの周辺には様々なことが起こる。心が傷つくことだってある。
だとしても、子どもたちには、生き続けてほしいのだ。

現代の私たち大人は、子どもたちに言っているだろうか?
「命を粗末にするな!」と。
「人の命と心を傷つけないように気をつけよう。」と。
「お前の命はおまえだけのものではない。」と。
「本当に困ったことがあれば、絶対に言ってほしい。」と。

自分のことを分かってくれる人がいる。
自分のことを励ましてくれる人がいる。
そのことは、私たち大人もそうであるように、子どもたちにはさらに大きな力となる。
私たち大人は、子どもたちを支え、
「あなたの命は、何ものにも代えられない。だから、命を大切にしてほしい。」
と伝え続けていかなくてはいけない。

ここ数年、ずうっとそう思い続けているのだが…。
コメント
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