ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「母に捧げるバラード」を今さらながら読む

2017-12-15 23:08:28 | 読む
今までは、ずっと本は買って増える一方だったが、定年退職以降、整理・片付けを考えるようになってきた。
部屋や車庫の2階などに、結構古本がたくさんある。
何らかの処分をしなくてはいけないと思いつつ、買っただけで読んでいなかった本も見つかったりする。
せっかく買ったのに、読まずに本を捨てるのはもったいない。
そんなふうに思ってしまい、読むことにした本がある。


本棚の隅、2列になって並んだ本の裏側の列から、「母に捧げるバラード」(集英社;武田鉄矢)が見つかった。
この本は、もともと「母に捧げるラストバラード」(集英社;武田鉄矢)という本を先に読んでいたもの。
「こら、テツヤ!」で有名な母イクさんが、鉄矢氏が49歳の時に亡くなったことを最大の40代の出来事として、書かれていたのが、この本だった。
出版されたのは、1999年だから、私が椎間板ヘルニアで手術した頃だ。
その頃に、題名につられて買って読んだのだろう。

そして、その後何年かして、まだ地元の商店街に古本屋が2軒ほどあった時に、見つけて古本で購入したのが、「母に捧げるバラード」だった。
この本は、1990年の出版だった。
内容は、題名が表すように、彼の生い立ちを母イクの思い出話を交えて語っている内容だ。
本の中には、売れない時代のことや、同時代のミュージシャンたちの話もたくさん出てきていた。
昔を思って、懐かしさでいっぱいになった。

ところで、なぜこの本を読まずに本棚の隅に追いやってしまったのか。
それは、この本を見つけてから、母がガンになってしまい、その看病に追われたのが3年ほどあったことや、亡くなった後は母のことを思い出すのがつらくて、見えないところにやってしまっていたのだった。
さすがに、母が亡くなってから13年近くもたつと、思い出して辛くなるから読みたくはない、なんて気持ちにはならない。
武田鉄矢の幼少の頃の祖母は、慶応生まれだった、とか、その祖母が子どもだった頃は西南戦争の兵隊に会っていただのいう話を読んで、へえーと思った。
武田鉄矢と私は、8歳しか違わない。
なのに、祖母が西南戦争…だなんて、武田鉄矢だけではなく、自分もすごく年寄りに思えてきてしまった。


古本で買ってから、15年ほどもたっている本。
出版されてから、27年もたっている本。
読んでみたけど、やっぱり捨てがたくなってしまった…。
コメント
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