ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「吟遊詩人」(GARO)という歌

2019-09-05 23:15:14 | うた


昔好きだった歌の一つに、ガロの「吟遊詩人」がある。
ガロといえば、「学生街の喫茶店」で有名だが、この「吟遊詩人」は、ガロの活動後半の曲であった。

最初の出だしから、「学生街の…」とは全く違うロック調のギターの音に圧倒された。
曲のアレンジと詩の内容がすごく気に入ったのだった。
ラジオで最初に聴いたときには、「長い曲です」と紹介があった。
確かに、間奏が長かったりして、途中で放送は切れてしまった。
なんとか全部聴きたいと思い、レコード店に探しに行った。

レコード店には、LPレコードは置いてなく、シングルレコード「一本の煙草」のB面に「吟遊詩人」があるのを見つけ、それを買った。

期待して曲の全てを聴こうとしたら、放送されたものと違って、途中でフェイドアウトして終わってしまうのだった。
これなら、ラジオで聴いたものより短い。
アルバムとシングルでは、曲の構成の仕方が違っていたのだった。

…ということで、最初に聴いた曲全てを正式に聴いたのは、解散してから発表された2枚組のベスト盤のLPレコードを買ってからだった。

さて、曲の冒頭から気に入った詩は、
「吟遊詩人吟遊詩人がギターをかきならし歌う歌は 特別の人じゃない普通の人のこと」
「あの時代愛してた 仲間の青春を 歌ってきかせたいと今おもう」
と始まる。
「ギターをかき鳴らし歌う吟遊詩人」なんて、あの頃、本当にいただろうか?
街頭でフォークギターをかき鳴らす人はいても、仲間の青春を歌うような人はいなかったと思うのだ。

そして、どんな仲間がいたのかというと、その一部を紹介すれば、
派手に結婚してすぐ別れたやつ
旅だけが生きがいの孤独なやつ
喧嘩して殺されたやつ
永遠のマドンナを探し求めたやつ
行方さえつかめない冒険好きのやつ
…など、確かに若いときでないと、無茶をしない。
そういう若者の仲間たちが並ぶ。

青春時代は、そんな無茶をしている仲間に囲まれていたものだったなあと、それこそ今思う。
そして、かつての仲間でも、亡くなったやつや行方不明になってしまったやつもいる。
そのせいか、近ごろ、この歌のことをよく思い出す。
この曲が、阿久悠の作詞だったとは、相当後になってから知ったことであった。

印象的なイントロが頭に、ジャーンと鳴り響き、若いときのいろいろなやつのことを思い出すことが多い今である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする