ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

学級文庫をつくろうとしていた頃

2019-10-24 20:01:47 | 「育」業

30年余り前、学級担任として仕事をしていた頃、毎月、給料からいくらかを出して、何冊か絵本や児童書を買っていた。
買ったその本を、教室の本棚に入れ、私的な「学級文庫」にするのである。
少しでも本を子どもたちに読んでもらおうと思ってのことであった。

今、物置にしている車庫の2階で片付け作業をしていると、その当時のいろいろな本が出てきた。
次の2つは、いずれも何冊かのシリーズになっていたのでそれらを買っていた。


「あした天気に十二歳」(薫くみこ;ポプラ社文庫 当時450円)
これは、今は絶版になっているようで、Amazonで中古本でも861円となっていた。


「キャプテンはつらいぜ」(後藤竜二;講談社 青い鳥文庫 当時390円)
これは、今でも売られているようで、Amazonで748円であった。
中古本だと、一番安くて12円。

今にしてどんな内容の本だったのだろうと、改めて読んでみた。
児童向けの小説だと、やはり子どもの心に響くようでないと人気はでないだろう。
「十二歳」シリーズだと、思春期の少女たちの繊細な心の動きや友情が描かれている。
「キャプテン」シリーズだと、野球チームのキャプテンとなってしまった主人公が直面する戸惑いや困難を乗り越えていく姿が描かれている。
あの頃、喜んで読んでいた子たちもいたっけなあ、と思い出してしまった。

やがて、「学級文庫」は、私が買うだけではあまり冊数が増えないので、学級の子どもたちの応援を仰ぐことにした。
子どもたちが自分で読んで面白かったからほかの人にも読んでほしい本。
子どもたちが自分で読んでしまって、しばらく教室においてもよい本。
そういう本たちを教室に持って来て、学級文庫に入れ、ほかの人たちに読んでもらうことに協力してもらうのである。
3月には、家に持って帰ってもらったが、
「先生にあげるよ。」
「次の(学級の)人たちに読んでもらって。」
などと言う子もいて、私の手元に残ってしまった本も何冊かあった。

その当時の本を改めて見てみると、自分が給料から買った本にも、子どもたちの持ってきた本にも、バーコードはついていない。
また、消費税もついていない。
そんな時代に、少しでも本を読んでもらおうとしてやっていたことであったと思うのである。
もうふた昔以上にもなってしまった、昔のことである…。

コメント
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