30,136人。
スタジアムに3万人を超える入場があったのは、昨季J2でJ1昇格を決めた10月の仙台戦以来だ。
その数字には、背番号と同じ「13」という数字も隠れている。
ベルギー・シントトロイデン移籍を決めた伊藤涼太郎のラストゲーム。
みんな伊藤涼太郎のプレーと、アルビレックス新潟の勝利する試合を見に来たというのに。
1-3の敗戦。
前半に先制されながら、後半72分ついに1-1に追い付き、さあこれから最高の瞬間を、という状況だったのに…。
そこからわずか3分後、ペナルティエリアの近くで不用意なパスから相手に勝ち越しゴールを決められてしまうし、さらにはダメ押しのPKまで与えてしまう不始末。
ガタガタっと、潟ってしまった。
伊藤涼太郎を快く送り出すはずだったのに、終盤、なんとも締まらない試合となってしまった。
スタッツを見ると、この試合も、数字的には新潟がまさっている試合。
なのに、今日も負け。
リーグ戦下位チームとの試合で負けるときはいつもこんな。
そのうえ、失点が軽い。
パスミスなどで簡単にボールを失うわ、簡単にPKを与えるわ…。
前々節のガンバ大阪戦の守備の教訓が何も生かされていない。
最近は、けが人や体調不良などで、DFのメンバーが固定されていない。
そこに連携の問題があるようにも思える。
簡単に失点するから、取り返すのが容易でない。
こんな状態で、得点源でもあった伊藤涼太郎がチームを去る。
失点が多い中、得点もさらに減るとしか思えない。
だが、スタッツを見ると、負けても数値は勝っているものが多い。
あとは、ゴール数を増やすというだけなのだ。
そのためには、簡単な失点で、勝てる試合を難しくしないこと。
涼太郎のセレモニー中は、雨が降っていた。
「涙雨」であった。
時折言葉に詰まりながらの挨拶は、私たちの心を揺さぶった。
「1年半という短い間でしたが、こんなに好きになったクラブはありません。」
「アイシテルニイガタ!」
涼太郎の海外挑戦が成功することを願ってやまない。