ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

たまらない切なさを、来季への楽しみに変えて

2010-12-09 18:09:13 | アルビレックス新潟

 うーん。浦和かあ…。
 ちょっと気持ちが折れる。
 そんな気がするマルシオ・リシャルデスの移籍だ。
 新潟の絶対的な中心選手だったマルシオ。
 2年契約。推定年棒9000万円という。
 前任(?)のポンテが1億円。
 おまけに、浦和は、新潟からDF永田も獲得だという。
 何なんだろうね~?
 新潟の金がないという弱点を見事についた、この中心選手の引っこ抜き!

 今年の成績は、新潟9位、浦和10位。
 強いチームに移籍するというのならわかるが、同じ日本国内で似たような順位のチーム。
 マルシオは、先日のJリーグアウォーズでこう言っていた。
「チームとしてはACL出場を目標に掲げていましたが、それは叶いませんでした。
けれども、チームが一生懸命やった結果が、僕が今ここに立てている理由だと思います。
本当にサポーターのみなさんをはじめ、クラブのみんなに感謝しています。ありがとうございます。
(新潟の選手として、初のベストイレブン受賞は)新潟にとってとても重要なことです。
新潟には良い選手がもっとたくさんいるので、今後、彼らがこういった賞を取ってくれればと思います。」
 また、公式にクラブを通して次のメッセージも出している。
「フロントの皆さん、サポーターの皆さんには、常に自分を温かく見守っていただきました。
 ありがとうございます。新潟を離れることになっても、心はつながっています。
 新潟の地を離れるのは辛いですが、プロとして、決断をしました。
 今後とも、応援よろしくお願いします。」
 このように、日頃から新潟というチームへの愛情も口にはしていたのだけれど…。
 最終的には、「プロとして」やはり年棒の高いチームの方を選んだのか、と思ってしまう。
 まあ、浦和は、アジア・チャンピオンになったこともあるチームではある。
 でも、今年は新潟より順位が下だぞ。

 そもそも、マルシオ・リシャルデスも、現浦和のエジミウソンも、新潟が見つけてきた選手。
 数年かけて、Jリーグで得点王争いもできるようになったのだった。
 永田だって、新潟に移籍してから故障で1年間出場できなかった。
 新潟で、故障を治して、ようやく1年間を通して活躍できるようになり、日本代表にも呼ばれるまでになったのに。
 つい数日前まで応援していた選手が、札束で浦和に取られてしまうというこの図式は、たまらなく切ない。
 日本プロ野球で言えば、広島カープが、金本、新井といった自前で育成した4番を打てる選手が、阪神タイガースに取られるようなもの、巨人に他球団の4番を次々獲得されるようなものに似ている。

 新潟は、昨季終了後もレギュラーが4人抜けた。
 移籍していった選手たちのチームもあまり芳しい成績ではなかった。
 GK北野の大宮、MF松下のFC東京は、新潟より下位に沈み、残留争いに巻き込まれたり、実際に降格となったりする悲哀を味わった。
 DFジウトンの鹿島は、昨季より順位を落とし、ACL出場を逃した。
 DF千代反田の名古屋は優勝したが、本人はサブに甘んじた。
 移籍が、選手にとって本当によいものになるとは、なかなか言えないようだ。
 しかし、新潟は、昨年の8位とあまり変わらない成績(9位)を残した。
 今までも、エジミウソン、ペドロジュニオール、矢野貴章と、核となる選手がいなくなっても、上位チームを倒す姿を見せてきた。
 今季も、新入団のミシェウや西、若手の酒井、チョらの活躍が目立った。
 新潟は、選手の転出を、逆に好機として新しい戦力の台頭を図っている創造的なチームなのだと言える。

 攻守の絶対的な中心選手だったマルシオ・リシャルデスと永田が抜けても、新潟は、きっと新しい戦力で来季も戦い抜くに違いない。
 代わりに、どんな選手が新たにどのような活躍を見せるか、とても楽しみだ。
「浦和には、こんな楽しみ方はできないであろう。」
ということを最後に言っておきたい。
 決して負け惜しみでは、ないのだ。
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