うーん。浦和かあ…。
ちょっと気持ちが折れる。
そんな気がするマルシオ・リシャルデスの移籍だ。
新潟の絶対的な中心選手だったマルシオ。
2年契約。推定年棒9000万円という。
前任(?)のポンテが1億円。
おまけに、浦和は、新潟からDF永田も獲得だという。
何なんだろうね~?
新潟の金がないという弱点を見事についた、この中心選手の引っこ抜き!
今年の成績は、新潟9位、浦和10位。
強いチームに移籍するというのならわかるが、同じ日本国内で似たような順位のチーム。
マルシオは、先日のJリーグアウォーズでこう言っていた。
「チームとしてはACL出場を目標に掲げていましたが、それは叶いませんでした。
けれども、チームが一生懸命やった結果が、僕が今ここに立てている理由だと思います。
本当にサポーターのみなさんをはじめ、クラブのみんなに感謝しています。ありがとうございます。
(新潟の選手として、初のベストイレブン受賞は)新潟にとってとても重要なことです。
新潟には良い選手がもっとたくさんいるので、今後、彼らがこういった賞を取ってくれればと思います。」
また、公式にクラブを通して次のメッセージも出している。
「フロントの皆さん、サポーターの皆さんには、常に自分を温かく見守っていただきました。
ありがとうございます。新潟を離れることになっても、心はつながっています。
新潟の地を離れるのは辛いですが、プロとして、決断をしました。
今後とも、応援よろしくお願いします。」
このように、日頃から新潟というチームへの愛情も口にはしていたのだけれど…。
最終的には、「プロとして」やはり年棒の高いチームの方を選んだのか、と思ってしまう。
まあ、浦和は、アジア・チャンピオンになったこともあるチームではある。
でも、今年は新潟より順位が下だぞ。
そもそも、マルシオ・リシャルデスも、現浦和のエジミウソンも、新潟が見つけてきた選手。
数年かけて、Jリーグで得点王争いもできるようになったのだった。
永田だって、新潟に移籍してから故障で1年間出場できなかった。
新潟で、故障を治して、ようやく1年間を通して活躍できるようになり、日本代表にも呼ばれるまでになったのに。
つい数日前まで応援していた選手が、札束で浦和に取られてしまうというこの図式は、たまらなく切ない。
日本プロ野球で言えば、広島カープが、金本、新井といった自前で育成した4番を打てる選手が、阪神タイガースに取られるようなもの、巨人に他球団の4番を次々獲得されるようなものに似ている。
新潟は、昨季終了後もレギュラーが4人抜けた。
移籍していった選手たちのチームもあまり芳しい成績ではなかった。
GK北野の大宮、MF松下のFC東京は、新潟より下位に沈み、残留争いに巻き込まれたり、実際に降格となったりする悲哀を味わった。
DFジウトンの鹿島は、昨季より順位を落とし、ACL出場を逃した。
DF千代反田の名古屋は優勝したが、本人はサブに甘んじた。
移籍が、選手にとって本当によいものになるとは、なかなか言えないようだ。
しかし、新潟は、昨年の8位とあまり変わらない成績(9位)を残した。
今までも、エジミウソン、ペドロジュニオール、矢野貴章と、核となる選手がいなくなっても、上位チームを倒す姿を見せてきた。
今季も、新入団のミシェウや西、若手の酒井、チョらの活躍が目立った。
新潟は、選手の転出を、逆に好機として新しい戦力の台頭を図っている創造的なチームなのだと言える。
攻守の絶対的な中心選手だったマルシオ・リシャルデスと永田が抜けても、新潟は、きっと新しい戦力で来季も戦い抜くに違いない。
代わりに、どんな選手が新たにどのような活躍を見せるか、とても楽しみだ。
「浦和には、こんな楽しみ方はできないであろう。」
ということを最後に言っておきたい。
決して負け惜しみでは、ないのだ。