串かつ54年、さらば神戸の人情屋台 常連客「昭和文化遺産だった」
神戸市東灘区、阪神御影駅北側にあった屋台の串かつ店「いくちゃん」がこのほど、54年の歴史を閉じた。路上に漂う油の香りと電灯が照らし出すのれんは、長年親しまれた駅前の名物だった。新鮮な食材を目の前で揚げる味、そして立ち飲みならではの気楽さが多くのファンをつくり、知らない人同士が自然に談笑した。常連客らは「長い間、本当にお疲れさま」と店主をねぎらっている。(松岡 健)
いくちゃんは、店主の北本良三さん(80)が1964(昭和39)年、阪神御影駅の南側で始めた。35年ほど前からは駅のすぐ北側で営業してきた。屋号は妻郁(いく)さん(80)の名前から。狭い木のカウンターがある屋台は7、8人が囲むといっぱいになるが、場所を譲るように入れ替わりながら、毎晩数多くの客が訪れた。牛、豚、鶏をはじめ季節の魚、レンコンや山芋といった野菜など20~30種類の食材をトレーに盛る。冬場のカキは伊勢から取り寄せるなど仕入れ先は選び抜いた。ソースも薬味を加えて独自の味わいにした。屋台には老若男女さまざまな人が集い、一期一会の輪ができた。夏は瓶ビール、冬は熱かんが並ぶ。仕事や接待で疲れて一息つきに来ると、北本さんは「ここは自分の酒を飲むところや」と温かく迎えた。だが横柄な客などには厳しく、注文を受けても「出すもんはない」とぴしゃりと返した。店を開けるのは夕方からで、冬場は足元から冷えてくるが、「熱いものを飲んだら大丈夫」と、雨の日と日曜祝日以外は揚げ鍋の前に立ち続けた。休みの日は趣味の登山を楽しみ、信州など各地に出掛けた。誘われた常連客は山の仲間に。六甲全山縦走大会は25回完走し、参加する客らのサポート役も担ってきた。体力を残しつつ店を閉めることは、5月の連休ごろに決意したという。同月末で閉店した。常連の一人で会社員の男性(51)は「駅で降りて一杯やって帰るのが日課だったので、心にぽっかり穴があいたよう。あの味はどの店よりもおいしかった。まさに“昭和文化遺産”だった」と惜しむ。仕事は一区切りとなったが、北本さんは仲間との山歩きは続けると話し、元気な笑顔を見せている。
阪神御影駅のクシカツ屋台 「いくちゃん」
震災のあと、また店を再開したことが神戸新聞などにも取り上げられた店だ。夕方、横を通るとき気になっていたが
常連さんで大概一杯で顔を突っ込んだことがなかった。しかし飲み仲間がなんと常連さんの一人とわかり
連れて行ってもらって、ようやく旨いと有名なクシカツを口にすることができた。独特の濃いソースは確かに
やみつきになる。レンコンと銀杏とクジラを揚げてもらった。そして岡成さんからウインナー、玉ねぎなど分けてもらった。
18時から約30分、ぬるかん2本でほろよいになってイタリアンの店に移動した。こうして飲み仲間の輪が広がり、
新しい経験をさせてもらえるのは謝謝、ナマステだ。
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体調不良で急遽不参加になった純さん、早く直してもらって、また行きましょう。