☆注水を中断させたと首相を糾弾していた政治家や評論家や新聞社は今晩は苦い酒を飲んでいるだろう。
まさか身内と思っていた東京電力に背後からばっさり切りつけられるとは思ってもみなかったはずだ。
とっくに吉田所長は東電の社長以下に注水は途切れず続けたと報告していた。 しかし東電本社は、それを意図的に隠していた。
なぜ? 原子力ムラの村長つまり司令官の指示があったのだろう。
今回の注水の中断はなかったという公表は、国際原子力機関(IAEA)が調査のため日本に到着して、もはや国内抗争の論理でウソを重ねることは出来ないということになったのだろう。
物を作っている生産現場や、建物の建設現場など現場にいた人間にはわかるが、いったん動き出したラインや作業を止めて、
それをまた再開する段取りは、とてつもないエネルギーと手間がいる。
また理由によってはリーダーの信頼感を一挙に失わせる。
吉田さんはそのことを熟知しているプロの棒心(親方・棟梁・組長)だと思う。
それにしても、この2か月間、谷垣自民党総裁や産経などの新聞社、数えきれない御用評論家を操ってきた東電という会社は大したタマだ。
嵩にかかって与党を攻めたてていた評論家やコメンテーターの名前は控えているが、彼らの仕事はなんか虚しい稼業としか言いようがない。
そしてまた、首相の許可なしに注水を開始したなんてとても言える空気ではないと、官邸から東電本社に伝えた東電の副社長の言動は、
開戦の御前会議の模様を思い起こさせる。日本人の肝腎な時の行動指針は70年後も全く変わっていない。
70年経っても「空気で動く」我々日本列島人・・。 人には責任はなく、空気に責任がある。
今回も、もし吉田所長が東電本社の言いなりに注水を中断していたら、今頃は東京全域も強制退避指示地区になる水素爆発が起こっていたかも知れない。
一人の現場の人間の判断が1000万人の日本人の生活を左右する・・。
東京電力さん、ここまで来たら腹を据えて、日本を壊さないように本気でやるべきことをやってください。☆
福島第1原発:注水「中断なかった」…所長判断で 東電 2011年5月26日 21時27分 毎日新聞
東京電力福島第1原発事故で1号機への海水注入が55分間中断していたとされる問題で、東電は26日、実際には中断せず注入を継続していたと発表した。
同原発の吉田昌郎所長が東電本店と合意した中断の決定を見送り、注入したほうが事故悪化防止になると判断して継続したという。
しかし、海水注入を停止したと記載した東電の初期データや、政府・東京電力統合対策室の説明が一転否定されたことになる。
情報の信ぴょう性が疑われるほか、情報把握ができていない政府の姿勢も問われそうだ。
24日から25日にかけて、同原発で吉田所長から事情を聴いて判明した。東電は、報告の遅れた吉田所長の処分を検討する。
東電によると、東日本大震災で緊急停止した福島第1原発の1号機では、3月12日午後2時53分に原子炉圧力容器への淡水の注水が停止したため、海水注入の準備を始めた。
同7時4分ごろ、海水の注入を開始。同25分ごろ、官邸に派遣された武黒一郎元副社長から東電本店や発電所に状況判断として
「官邸では海水注入について首相の了解が得られていない」と連絡があり、本店と同原発を結んだテレビ会議で注入停止を合意した。
だが、吉田所長は「事故の進展防止には原子炉への注水継続が何よりも重要」と判断。本店に知らせず、海水注入を続けたという。
この問題を巡っては、統合対策室が5月21日、東電が3月12日午後7時4分に海水注入を始め、同25分にいったん停止したと発表していた。
班目(まだらめ)春樹・内閣府原子力安全委員長から「再臨界の危険性がある」との意見が出たためと説明した。
しかしその後、統合対策室は「原子力安全委員長の発言は『(再臨界の)可能性はゼロではない』だった」と訂正している。また、東電は同日午後8時20分に海水注入再開とした。
今回、事実関係の確認に時間がかかったことについて、武藤栄・東電副社長は5月26日の会見で「海水注入に向けて努力していたが、
官邸の中の(首相の了解が得られていないという)空気が伝えられたので中断を決めた。I
AEA(国際原子力機関)の調査団が来ており、事実関係を明らかにするため、聞き取り調査し、所長から報告があった」と釈明した。
所長の説明について、松本純一原子力・立地本部長代理は「本人の記憶の中にある」と応じ、裏付けがないことを認めた。
統合対策室事務局長の細野豪志・首相補佐官は「所長として(注水が停止した1号機の)困難を乗り越えるため(海水の注入継続という)決断をしたのはやむを得ないことだった。
ただ、結果として、発表内容に訂正が入ったのは、正確に国民に情報を伝えられなかった点で大変残念だ」と話した。
経済産業省原子力安全・保安院は注水が再開されたと記録されていることについて、「遺憾だ」と述べた。【河内敏康、岡田英、比嘉洋】
班目委員長“私は何だったのか” 5月26日 17時55分 NHKニュース 東京電力が福島第一原子力発電所の1号機への海水注入について「中断しておらず、継続していた」と明らかにしたことについて、
原子力安全委員会の班目春樹委員長は、原子力安全委員会の会議後の記者会見で「海水注入の中断がなかったのなら、私は一体何だったのか。
何がどうなっているのか教えて下さいというのが、正直な気持ちだ。3月12日の時点においては、官邸と東京電力とのパイプはそんなに太いものではなかったので、
もう少しやり方があったかもしれないと思うが、やむをえなかった点もあるとは思う」と述べました。
この問題を巡っては、政府と東京電力でつくる統合対策室が21日に開いた記者会見で、事実関係を記した文書を公表し、
班目委員長が総理大臣官邸で再臨界の危険性を指摘したとしていました。その後、班目委員長は「そのような発言はしていない」と
統合対策室の事務局長を務める細野総理大臣補佐官らに訂正を申し入れ、文書は「総理から再臨界の可能性について問われた原子力安全委員長が
『可能性はゼロではない』と回答した」という内容に訂正されました。
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