篠田節子の名前と書名に魅かれて図書館に予約を入れた。借りて読みだしたら止まらない本だった。一気に最後までよんでしまった。
直木賞をとった「女たちのジハード」に、この人のプロの小説家の資質を感じたがやはり間違えていなかった。彼女の筆はのびのびと辛らつにおかしく今の世の人たちを描きだす。
ある芸術家が創る肖像彫刻が置かれた場所でものを喋り動き出し彫刻の発注者の本音をあぶりだす。
昔から絵の中の人物が動きだす話はあるが、そんな妖怪話が現代人を登場人物にして生き返る。
優れたフィクションは束の間といえど、別の時間と場所に自分を連れて行ってくれる。よく笑った小説だった!
内容紹介
53歳♂バツイチの元芸術家。それでも人生は続く――“人生100年時代”の極上人間ドラマ! 人が生きてきた時間を封じ込める――それが、肖像彫刻。芸術の道を諦めて、八ヶ岳山麓で職人彫刻家として再出発した正道。しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。亡き両親、高名な学者、最愛の恋人……周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネとは。人間の愚かさと愛しさが胸に迫る人生賛歌。
内容(「BOOK」データベースより)
人が生きてきた時間を封じ込める―それが、肖像彫刻。芸術の道を諦め、八ヶ岳山麓で銅像職人として再出発した正道。しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。亡き両親、高名な学者、最愛の恋人…周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネとは。欲望に忠実な人々の姿になぜか勇気がわいてくる、人生100年時代の極上人生ドラマ!