奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

『権力の日本史』 (文春新書) 新書 – 2019/11/20

2019年12月04日 | 本と雑誌
 
『権力の日本史』 (文春新書) 新書 – 2019/11/20
本郷 和人 (著)
5つ星のうち4.0
2個の評価

借りている本を一冊も持っていない状況は何年振りだろうか。
書店の本や、積んで置いたある本をゆっくり読める。
が買いすぎて、当分図書館には行く必要と暇がない。
この本は、順番を飛ばして急いで読んだ。
 
ワイドショーでは、桜を見る会で、盛り上がっている。
与党としては、幕引きか、それとも噴火させるか、余裕があるように見える。
与党にも大ブーメランが。
こんなことの噴火で痛い目にあうのはいつも
「こんなことでしか」の野党だ。
 
本書は2010年の『天皇はなぜ万世一系なのか」の増補新版。
補論 「令和という年号についての違和感」などは、書下ろし。
途中、重箱の隅感もあってスピードを上げてよんだが、
通史的な視野の広いテーマは、世界史との比較にも及びとても刺激的だった。
家か血か、世襲、実力、科挙(日本が中国の科挙を採用しなかった意味は小さくない)、
江戸時代の「大奥」、明治維新と「万世一系」、「女系天皇」。
万世一系や男系男子は、歴史的にそれほど確固とした思想なり理念があったのだろうか、という指摘は説得力を感じた。
トップが責任をとらないなど、現在の社会のしくみに通じるするどい指摘。
天皇 上皇 将軍 貴族 僧侶・・政治家 官僚の世界の話だが、
庶民感覚でもわかるような、血か家かなど「この国を動かす権力のリアルに迫る!」のだが、
一方で、ほんとうに万世一系だったのか、などなにかがぼやけている感じがしなくもない。
そこが面白いところなのかもしれない、続編がありそうなところだ。