2003年 ‧ 戦争/アクション ‧ 2時間 40分
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公開からもう18年。2003年も遠くなりにけり。
『鬼滅の刃』はさすがについていけず視聴を断念しています。(1-11途中まで)
やや強引にこの『ラストサムライ』
とのつながりをさがすとすると「刀」だろうか。
冒頭で、イザナミとイザナギの(国生みの神話)と思われる、神が剣を海面に浸けて、日本の国土を生成したと、
ナレーションが入り、日本は剣で作られたと紹介している。
しかし武士の魂とも言える刀は、幕末に近代化による洋式鉄砲を用いた軍隊が誕生し、
武器としては時代遅れとなっていく。
一方、南北戦争時代のアメリカ北軍の士官として活躍したネイサン・オールグレン大尉(演:トム・クルーズ)が
、除隊後、お雇い外国人として、できたばかりの幕府の軍隊の指導者として日本にやってくる。
wikiトム・クルーズが演じる主人公ネイサン・オールグレンのモデルは、江戸幕府のフランス軍事顧問団として来日し、榎本武揚率いる旧幕府軍に参加して箱館戦争(戊辰戦争(1868年 - 1869年))を戦ったジュール・ブリュネであるwiki という。
物語のモデルとなった史実には、元政府の要人による叛乱という意味では、西郷隆盛らが明治新政府に対して蜂起した西南戦争(1877年)が該当するとされる。
ラストサムライの勝元盛次(演:渡辺謙)が西郷隆盛に擬され、
実業家にして大臣の大村(演:原田眞人)が大村益次郎に見立てられたりするが、どれも相当な無理がある。
土方歳三(幕臣、新選組副長、箱館五稜郭の防衛戦で戦死)になぞらえもするが、豪農の出身であるし、悪評もあるし、)
その他の設定や、時代考証的にも、つっこみどころ満載。
そもそも作り手としては、日本の観客の否定的な反応は織り込みずみなのではなかろうか。
これはハリウッド映画なのだ、と思う。
wiki日本での興行収入は137億円、観客動員数は1,410万人と、2004年度の日本で公開された映画の興行成績では1位となった。一方、本国のアメリカでは2003年12月1日にプレミア上映されたのち、12月5日に2908館で公開され、週末興行成績で初登場1位になった。その後も最大で2938館で公開され、トップ10内に7週間いた。興行収入は1億ドルを突破し、2003年公開作品の中で20位。渡辺謙や小山田真、小雪、真田広之などを含め、日本の俳優が海外に進出する一つの契機を築く作品となった。
『ラストサムライ』エドワード・ズウィック監督は、アイヴァン・モリスの著書『高貴なる敗北』の「第9章 西郷隆盛伝」に、感銘を受けたことを表明しているということですが、モリスは、三島由紀夫の友人で、三島作品の英訳者の一人だと知れば、(時代考証のことは)吹っ切れますね。
後半のハリウッド風な苛烈で、長い戦闘シーン、(タタカイ)だ。
もう細かい時代考証や、モデル探しなど、ふっとんでしまう。それも映画の楽しみなのだろう。それまでのセリフにたいする若干の違和感も気にしなくてよろしい。
三島は晩年に、「革命的な出来事は何か不合理なものと一体でないと、成就しない」と言ったそうだ。
滅びの美学という言葉でつなぐのなら、三島は西郷ほどもかっこよくはないかも知れないが、いっそのこと勝元を三島に重ねて戦闘シーンを眺めてみると・・・。(天皇が勝元の死にざまについて聞いたところ、主人公ネイサン・オールグレンは、その生きざまについて答える)
同じくタタカイの『鬼滅の刃』はアニメとはいえ、あまりのむごたらしさ、と長尺についていけず・・。