The Trader (Sovdagari) | Official Trailer [HD] | Netflix
ネットフリックスオリジナルドキュメンターリー(23分)2018年
東ヨーロッパのジョージア。
辺境の農村と都会を行き来して日用品の商売をする男に密着。
導入部、ちょくちょく脇見をしながら街中を運転する男。カメラは後部座席から男の右肩越しに大通りをうつしながら揺れている。観るほうも男と一緒に揺れている感覚でこの男と「共犯」にさせられる、といった寸法だろうか。(povショットというそうだ)
「POVショット」。 「Point of View Shot」の略で、日本では視点ショット、 主観ショット などと訳される。 カメラの視線と登場人物の視線を一致させるようなカメラワークを指し・・
一人称ショットとも。
一見雑な映像だが、意味深な、印象にのこるカットの連続だった。
ジャガイモが通貨の代わりをしている。商いをする太ったおじさんは胡散臭いが、悪い男には見えない。むしろ善良にさ見えることがある。そして、おじさんに密着するカメラに「付き添い」をさせられながら観るほうはいつしか「搾取」するおじさんよりも優越的な位置にいる自分に気づく。そのへんがこの映画のねらいの一つだろうか。「物ブツ」交換のフカイ話なのだった。
主婦たちに値切られると「だめだ」
そこをなんとか「だめだ、俺にどうしろというのだ」男の口癖だ。ことわられた主婦のあきらめの表情なども見ものだ。
ジャガイモを手で収穫している主婦たちの会話「女は常に美しくしてないと」、「女は生まれながらに美しい、化粧なんてする必要はないよ」。
など村人たちのセリフひとつひとつが、新鮮に響く。年老いた男たちは、たばこをふかして退屈そうだ。
2018年の作品だがどうしても今の日本と比べてしまう。
単純な比較はできないが、なかなか考えさせられる映画だった。
映画サイトのレビューの数も多い。