『薩摩という「ならず者」がいた。 誰も語らなかった明治維新秘史』 – 2020/11/28
佐藤 眞 (著)
amazon 内容(「BOOK」データベースより)
なぜ薩摩は幕末の動乱を制することができたのか?―その答えは「贋金作り」にあった!
出版社 : ケイアンドケイプレス (2020/11/28)
発売日 : 2020/11/28
本のタイトルが3行もある。
3行に加え、その下に天保通宝5枚を並べた写真
4行でこの本を語りつくしていると言ったら言い過ぎか。
いや、薩摩のみならず現在の鹿児島をも語っている。
だが、キャッチーなフレーズ、「誰も語りなかった」「維新秘史」「ならず者」はどれもよく考えると、あいまいな概念だ。
このあいまいさこそ、本書のおもしろさの源泉だとおもう。
福岡市生まれ。中学・高校は鹿児島のラ・サール学園に
長年編集者として活躍している著者ならではの
鹿児島の歴史の特殊性と、今を歯に衣着せずに語る。
テンポのよい語り口はしばしば脱線し、その幅も広くアジア史から西洋史に及ぶ。
そこで語られるうんちくが、本書の味わいを深める。歴史家でも、いわゆる作家でもない著者だからこその、歴史書ではなく歴史エッセー。
著者の中学・高校時代の鹿児島の思い出。同じ九州でも、独特な鹿児島の気風。
気風だけでなくほかにも鹿児島はいまに残る独特がいくつもある。
それはわが島にもあることに気づき考えさせされる(ないものも、ある意味真逆のものもあるが)。
薩摩、銭といえば奄美の島々からの砂糖収奪が連想されるが、
「奄美大島への恐るべき収奪」はP80~82。
琉球を通しての密貿易はP82からつづきp87
黒糖、密貿易 贋金の比率は、読み取れなかった。
追記 表紙の写真 ネットオークションサイトで
検索すると薩摩の「天保通宝」がザクザク、例えばヤフオクでは
5~6千円台のものがならぶ。
この情報が「まえがき」冒頭で紹介されているように、本書はとても今風の作りでもある。
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