やっと風邪の閉じ篭りから開放されて、一番先に行きたかったのは、日帰り温泉である。
車で1時間くらいの山の中のドライブで、河内平野を一望出来る高台にあるワールド牧場の一乃湯に着く。
冬の間,土日しか営業していなかった牧場が開園になっていた。
温泉に近いゲートで、セント・バーナード「セパスチャン」が尻尾を振ってのお出迎えである。
「セパスチャン、セパスチャン」と呼ぶ度に大きい尻尾をゆっさゆっさと振るのが可愛くて暫く遊ぶ。
首に巻いた青いバンダナは、愛嬌がある。
温泉に向かって下る坂の土手はまだ枯れ草色であるが、梅の木には花が少し咲き、そこだけが春の彩となっている。
冬場の牧場閉鎖の間は、直接温泉前まで車の乗り入れが出来たので、周りの有様には余り目が行かなかったことに気づく。大きなバックをもった若いグループもいくつかあり、この人達は、ワールドヴィレッジでの宿泊客なのだろう。
春の活気を、ふと感じる。
食事処「くまのじ」でゆっくり食事とおしゃべりタイムを取って、友人と次の旅行の打ち合わせなどする。
こういう時間が持てないまま、私も友人も同じ頃に風邪でダウンしたから、話は尽きない。
ロビーでたっぷりと休憩した後、温泉に入る。
このたびの風邪は、最後まで喉の痛みと声の出がおかしかったが、湯煙のせいだろうか、二人ともそれがすっかりなくなっている。
乾燥しすぎる家の中でいつもいたから、長引いたのかもしれない。
やはり、外に向けて無理をしない程度に出なければねと、二人で話し合った。