カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

尾瀬への旅

2005年03月15日 | ▼ 思い出綴り
14日のニュースで、詩人江間章子さんが死去されたことが伝えられた。
ご冥福をお祈りしたい。

退職したら行きたい所の一つに尾瀬があった。尾瀬への憧れは、高校時代に江間さんの、「夏の思い出」の歌を聴いた時からずっと持ち続けていた。
「遥かな尾瀬遠い空」「水芭蕉の花が咲いている」「夢見て匂っている水の辺り」
その頃、遠い地であった尾瀬への旅など考えられなくて、歌うごとに、憧れを増幅させていった。

在職中は、職業がら水芭蕉の咲く頃に旅に出ることなどできず、憧れのままであった。
退職した年の6月。ツアーに参加しての一人旅だった。

会津高原・高杖ロッジに連泊しての尾瀬行きなので、登山の荷物は最小限。

翌日沼山下から登山を開始する。
6月7日だったが、途中の積雪の多いところは2mぐらいとの事。
先行く人の足跡を頼りにしての雪山登山だった。


1784mの頂上から木の間に見える尾瀬沼と湿原に「やっと来ることができた」感激を味わう。

大江川湿原の畔に立った時「夏の思い出」の歌の中の「遥かな尾瀬」が現実にあるときめきに、胸が震えた。
そして、「霧の中に浮かびくるやさしい影 野の小路」でなく晴れ渡った青空の下の尾瀬に足を踏み入れた幸せを感じていた。
行きかう人と挨拶を交わしながら、飽きることなく水芭蕉の優しく咲く風情を楽しみながら、湿原の木道を歩み続けて尾瀬沼畔までの散策をした。


湖面に映る冠雪した燧ケ岳を見ながら、ロッジで作ってくれた昼食をする。
初めて登山らしい登山、しかも険しい雪山のしんどい思いをしながら登ったのが、ここに、こんな素晴らしい自然があるからなのだと、しんどさのご褒美を頂いたようなわくわくした気分で、弁当も美味しいが、大気がもっと美味しく感じられた。
昼食後は、尾瀬沼一周の自由散策をする。
大抵は、グループ参加なので、行動がグループ毎になるが、一人参加の私に添乗員の青年が同行してくれたのはありがたかった。
彼は、殆ど登山のツアーの添乗が専門との事で、山の話や、湿原の植物の説明など親切にしてくれて、8キロ約2時間を有意義に過ごすことができた。
尾瀬を満喫して下山後。中土合公園で、江間章子さんの「夏の思い出」の詩碑を見て、これからの私は、二番の歌詞にある「夏がくれば 思い出す 遥かな尾瀬 野の旅よ」と口ずさむ事だろうと・・・
そして今、江間章子さんの 「まなこつぶれば 懐かしい はるかな尾瀬 遠い空」好きな歌であり、思い出の尾瀬である。
                               



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杉は花盛り

2005年03月15日 | ☆ ふるさと・大和

今、車を走らせていると、山間部だけでなく、里辺り木のある所での何処でも、枯れたような茶色い木が目に付く。
満開になった杉の花である。満開の花といえば、梅や桜など綺麗な情景を想像するが、この木の花は、不気味としか言いようがない。
これで、風でも吹こうものなら、一斉に黄色い粉が、木から流れ出すように飛び散る場面に、遭遇することになる。
もう何年か前、山の温泉の窓から、対岸のスギ花粉の飛ぶ様を見たことがあるが、風にしなる木から煙幕のように粉が飛んでいくのを見て、驚いたことがある。
今年ほど、茶色い木の目立つのは珍しい。去年同じところを何度か通ったが、こんなではなかった。季節の巡りにも、歓迎したくないものがある。
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