百人一首を「坊主めくり」から「歌留多取り」に移ったのは小学校6年生ごろだったように思う。
家族で、友人たちと、クラスで、学校全体で、高校の先生のお宅で、お正月に関係なく歌留多遊びに夢中になったのは、やはり高校の時だったように思う。
好きな詠から憶え始めて、大和の地名のあるのに興味を持って、それらのなかから絶対に人に取られたくなかった札も何枚かあった。
「三室の山」も「竜田川」もその中に入っていた。
それなのに実際竜田川の紅葉を観たのは、つい2~3年前だったような気がする。
紅葉の古木
紅葉道 踏みしめ行くと とりどりの 色の賑わい 音の賑わい
「三室山」はどこなのだろうかと、散策している地元の人に尋ねた。
その前に、これだろうと見当をつけて望遠で撮ったのが、この山だった。
もっと全体に紅葉しているものと思っていたのだ。
「その山ですよ、麓から登山道があるので行くといいですよ。」
教えてもらった登山口まで行った。
麓で好きな詠と出会うことができた。
歴史を遡った歌人たちが好んで詠んだ紅葉の名所を尋ねて、木々の色づきや、川面に映る紅に、当時と周りは変わっても、自然は今と繋がっていることに気持ちは豊かになる。
この山に登れば、紅葉の紅に出会えるだろうけれど、膝が拒否しているので、ここまで来れたことで十分満足することにした。
石段は 三室の山に 誘えど 膝を庇いて 紅葉見上げる (1015・12・03)