迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

心の底の深度を聴く。

2021-11-07 13:52:00 | 浮世見聞記
能樂には、その作品世界の理解がだうしても難しい“大作”がある。今日にラジオで放送された觀世流「檜垣」が私にとってはさうした一曲で、もと白拍子と名乗る老女が貴族の男との出會ひをきっかけに水を汲むと云ふ行為に取り憑かれ、ゆゑに死後もそれが執念となって成佛できずにゐる──詠者の経歴が末詳の和歌が下敷きになってゐるこの大作は「重習(おもならひ)」と云って、師匠に“別料金”を拂はなければ教へてもらへないアリ . . . 本文を読む
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