ラジオ放送で、觀世流「野宮」を聴く。古作「葵上」では嫉妬が昂じて生靈となって現れた六條御息所が、この曲では死後も嵯峨野の齋宮跡でいまだ光源氏との思ひ出から解脱出来ずにゐる姿となって現れる。謠の詞章も、「火宅の門をや出でぬらん、火宅の門」と尻切れトンボに終る珍しい書き方をすることで、この高貴な女性が現世に強い未練を残してゐることを、抑へた調子のなかにも強く印象付けることに成功しており、不詳の作者の非 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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