(イスラエル・テルアビブで15日に行われた反政府デモには、人質の家族など数千人が参加しました。【6月16日 ANNニュース】)
【犠牲祭 「今は、自分たちを犠牲として捧げている」】
パレスチナ・ガザ地区の状況は相変わらず。アメリカなどが仲介する停戦交渉の進展は伝えられていません。
****ガザで犠牲祭始まる 家畜なく「今は自分たちを犠牲として捧げている」****
戦闘の続くガザ地区でも、イスラム教の重要な宗教行事、「犠牲祭」が始まりました。ただ今年は避難生活が続くなか、捧げる家畜もないため、お祝いムードはありません。
他のイスラム諸国と同じく、ガザ地区でも16日から「犠牲祭」の期間に入り、南部ハンユニスでは朝から多くの人が集まり祈りを捧げました。
例年ですと、牛や羊が生贄(いけにえ)として捧げられ、肉を貧しい人々へ分け与えるのが習わしですが、今年は戦闘が続くなか捧げる家畜がなく、人々の表情にもお祝いムードはありません。
礼拝に参加した男性は「捧げるべき動物もありません。今は、自分たちを犠牲として捧げている」と語りました。
地元の保健当局によると、ガザ地区では16日までに3万7337人の死亡が確認されています。【6月17日 テレ朝news】
他のイスラム諸国と同じく、ガザ地区でも16日から「犠牲祭」の期間に入り、南部ハンユニスでは朝から多くの人が集まり祈りを捧げました。
例年ですと、牛や羊が生贄(いけにえ)として捧げられ、肉を貧しい人々へ分け与えるのが習わしですが、今年は戦闘が続くなか捧げる家畜がなく、人々の表情にもお祝いムードはありません。
礼拝に参加した男性は「捧げるべき動物もありません。今は、自分たちを犠牲として捧げている」と語りました。
地元の保健当局によると、ガザ地区では16日までに3万7337人の死亡が確認されています。【6月17日 テレ朝news】
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【イスラエル軍 人道物資搬入のため地域限定で軍事活動停止】
そうした状況で、少しでもましなニュースも。
イスラエル軍は16日、当面、毎日午前8時から午後7時までの11時間、ガザとの境界にあるケレム・シャローム検問所から北部へ通じる幹線道路沿いの地域で軍事活動を停止すると発表しました。
****イスラエル、ガザ南部で軍事活動停止発表 国際批判受け日中に毎日、物資搬入増目指す****
イスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエル軍は16日、支援物資の搬入増量のため、パレスチナ自治区ガザ南部の一部で日中の軍事活動を一時停止すると発表した。
南部にはエジプトと境界を接する物資供給の拠点ラファがあるが、イスラエル軍が5月初めに攻撃を開始して搬入が滞り、国連などが批判していた。
AP通信によると、軍は現地時間午前8時から午後7時までを「戦術的な一時停止」の時間帯とし、毎日の軍事活動を控える。物資搬入のため、イスラエルが管理するケレムシャローム検問所からガザ南部を経由し、北部に向かう主要道の安全を確保するとした。(後略)【6月16日 産経】
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【政府と軍で食い違い ネタニヤフ首相「受け入れられない」】
ところが、この軍の一部軍事活動停止措置について、ネタニヤフ首相は「聞いてないよ!」「受け入れられない」って。 そんなことがあるのでしょうか。
****政府と軍で食い違い=ガザ南部の軍事活動停止―イスラエル*****
イスラエル軍が16日、イスラム組織ハマスと交戦するパレスチナ自治区ガザへの支援物資を増やすため、ガザ南部の主要道路沿いの一部区間で毎日時間を決めて軍事作戦を停止すると発表したことを巡り、イスラエル政府と軍の間で食い違いが生じている。政府は決定を知らなかったと主張し、軍は通知したと強調している。(中略)
イスラエルのメディアは情報筋の話として、ガラント国防相が今回の決定を知らず、政府としても承認していないと報じた。ネタニヤフ首相も、活動の一時停止は「受け入れられない」と反発したとされる。【6月17日 時事】
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ネタニヤフ首相は「受け入れられない」などと述べ、批判したとのことですが、現時点で決定は取り消されていないとのことです。
本当に聞いていなかったのか、妥協・軟化を拒否する極右勢力への配慮から「知らなかった」ことにしているのか・・・・
もし、本当に知らなかったということなら、軍の文民統制の一大事です。今回と逆のケース、政府は停戦を指示するも、軍が「聞いていない」と戦闘を継続するような事態もあり得ます。
なお、今回の軍事活動停止はあくまでも地域を限定したものです。
****イスラエル、軍事活動の一時停止中も「ラファでの戦闘は継続」…人道支援物資搬入****
イスラエル軍報道官は16日、パレスチナ自治区ガザの情勢について「ラファでの戦闘は続いている」とX(旧ツイッター)に投稿した。
これに先立ち、軍は人道支援物資の搬入拡大のために南部の幹線道路沿いでの軍事活動の一時停止を発表したが、対象外の場所や時間帯での戦闘を排除しない考えを示したとみられる。
軍報道官は戦闘の一時停止について、物資の輸送目的に限り、国際機関との連携の下で日中に行われると強調した。軍は毎日午前8時〜午後7時、幹線道路沿いでの戦闘を一時停止すると発表していた。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、国連人道問題調整事務所(OCHA)報道官は軍の発表を歓迎したものの、「壊滅的な飢餓の解消には、ガザ全域に援助を安全に届けることが重要だ」と指摘した。
イスラエル軍が5月上旬にガザへの物資搬入ルートのラファ検問所を制圧して閉鎖して以降、ガザに入る物資は大幅に減少した。AP通信によると、国連は4月に1日平均トラック168台分の物資を受け取っていたが、5月6日からの1か月では1日68台分となった。ガザへの支援物資は、最低でも1日500台分が必要とされている。【6月17日 読売】
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【戦時内閣解散】
軍と政府の間はギクシャクしていますが、政権内部も。
****イスラエル戦時内閣が解散 戦闘継続、極右の発言力増か****
イスラエルのメディアは17日、ネタニヤフ首相が16日の会合で戦時内閣を解散することを明らかにしたと報じた。
連立内閣は維持し、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘を継続するとみられる。戦時内閣の解散で対パレスチナ強硬派の極右勢力の発言力が増す可能性がある。
戦時内閣で一定の歯止め役を担ってきたガンツ前国防相が9日、辞任を表明していた。
連立内閣に参加する極右2政党はハマスとの停戦案合意に反対している。そのうち極右「ユダヤの力」党首ベングビール国家治安相は9日夜、ガンツ氏の後任として自身を戦時内閣に加えるよう要求した。【6月17日 共同】
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戦時内閣は、連立内閣の外につくられたもので、ネタニヤフ氏、ガラント国防相、中道右派野党のガンツ前国防相らで少人数で議論し、対ハマスの重要方針を決める場として機能してきました。
戦時内閣解散の目的については、以下のような見方も。
****イスラエルが戦時内閣を解散 極右閣僚の参加阻止が狙いか****
イスラエルのメディアは17日、同国のネタニヤフ首相が戦時内閣を解散したと報じた。戦時内閣への参加を要求していた極右政党所属の閣僚の参加阻止が狙いとみられる。
戦時内閣を巡っては、中道政党の党首で元軍参謀総長のガンツ前国防相が9日に離脱を表明し、既に機能不全に陥っていた。【6月17日 毎日】
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ネタニヤフ首相もこうでもしないと強硬論の極右勢力を抑えきれないということでしょうか。
【人質解放を軍事作戦より優先させるべきとの世論も】
世論も、軍事作戦と人質解放のどちらを優先させるかで割れています。
****イスラエルで大規模な反政府デモ 数千人が参加 人質解放と総選挙の実施求める****
AP通信などによりますと、イスラエル・テルアビブで15日に行われた反政府デモには、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の家族など数千人が参加しました。
早期の人質の解放を求めているデモの参加者は、政府のハマスへの対応を批判しました。また、ネタニヤフ首相の退陣と早期の総選挙の実施も要求しています。このデモの数時間前にはガザ地区ラファで装甲車が爆発し、イスラエル兵8人の死亡が発表されました。
現地メディアは、2024年1月に建物の爆発でイスラエル兵21人が死亡して以降、ガザでの1回の攻撃の死者数としては最も多かったと伝えています。【6月16日 ANNニュース】
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****イスラエル国民の56%、軍事作戦より人質解放が最優先 世論調査****
パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘に関連しイスラエルのユダヤ系国民の56%がガザで捕らわれている人質の解放のための合意成立がガザ最南部ラファ市での軍事作戦より優先すべき課題と受け止めていることが世論調査で9日までにわかった。
ラファへの地上攻撃がより大事としたのは37%だった。
今回の世論調査は同国のシンクタンク「イスラエル民主主義研究所」(IDI)が実施。ラファでの軍事作戦と人質解放の合意達成のどちらが国家的利益の面で最優先課題かを二者択一の方式で問うた。(後略)【5月9日 CNN】
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これまで、対パレスチナ・アラブでは一枚岩とも見られていたイスラエル国内ですが、今回は相当に大きな亀裂・混乱が見られます。
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