テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

オーダー!お菓子の家?

2007-11-25 22:14:04 | 美味
 デパート地下フロアの洋菓子コーナーで
 いただいちゃいましたよ。

「おかしのォ、かたろぐ、でスねッ、ネーさ」

 クリスマスケーキやクリスマス用のお菓子のカタログです。
 魅惑の御品揃いだわね~♪
 ゴディバやフロプレステージュもよいけれど、
 ネーさは『銀座コージーコーナー』の
 《クリスマスハウス》にグラッと来ちゃいました。
 高さ28cmの、お菓子の家!

「おかしのいえッ♪♪」

 《お菓子の家》をドイツ語でいうとヘクセンハウス。
 童話『ヘンゼルとグレーテル』に登場しますね。
 オーダーするなら、ダイワハウスではなく、御菓子屋さんへ。

「テディちゃ、すみたァいでスッ! おかしのいえにィ!」

 それは無謀です。

「ほぺッ??」

 お菓子の家は、飾って楽しみ、かつ、食べても楽しめるもの。
 食いしん坊さんは、住めやしませんてば。
 
「えェ~」

 テディちゃが住み始めて1時間後には、
 壁も屋根も煙突も無くなってしまうでしょ、きっと。
 2時間後には床も消え、完全な宿なし状態。

「♪おいらはァ~♪やどなしィ~♪」

 ……テディちゃは、デパ地下に近寄らない方がいいみたいですね。

「ふァ~いッ、そうするでスッ♪」 
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《渾身》の戦いを描きつくす!

2007-11-25 13:41:19 | ブックス
 お相撲、と聞いて思い浮かべるのは、
 両国の国技館でしょうか。でも。

「テディちゃ、おすもう、みたことないのでスよ、ネーさ」

 実は私も見たことありません。国技館でも、地方場所や巡業のお相撲も。
 商業相撲って、どこか縁遠いものですね。
 
 対して、この御本で描かれるのは《古典相撲》――
 いったい、どこが違うのでしょうか……?
  
 はい、本日はいま注目の小説本を御紹介いたしましょう! 



             ―― 渾身 ――


 
 著者は川上健一さん、’07年9月に発行された作品です。
 
 隠岐島(おきのしま)に実在する水若酢(みずわかす)神社。
 千年を超える歴史を持つこの神社で、
 およそ20年に一度行われる相撲大会。
 《柱相撲》と呼ばれ、神社の遷宮記念に
 神様に奉納するため催されるものですから、神事、ですね。
 
「ふつうのォ、おすもうとォ、べつ、なのでスか」

 この相撲大会に出場するのは
 プロの力士さんではないんですよ、テディちゃ。
 各地区から選ばれるのは、
 日々相撲の練習を積んではいても、みなアマチュアさん。
 相撲を生業(なりわい)とする人は一人もいません。

 都万(つま)地区の正三役(しょうさんやく)大関になった
 坂本英明さんも、相撲を始めたのは数年前からのこと。
 奥さんの多美子さんの心配は深まるばかり。
 対戦相手は子どもの頃から相撲をしていて、国体にも出場、
 島でいちばん強いと噂される人物です。

 そんな相手に勝てるのだろうか。
 いや、そんな強者と闘うことになるなんて、
 それすら思いも寄らなかったのに……。

「うわァ、どうしようゥッ」

 人々の思いを背負い、
 途方もない重圧の中、
 英明さんは土俵にのぼります。

 行司の……軍配が返った!

「ひゃあァッ!」

 驚くべきことに、本文の三分の二近くが勝負の描写に費やされています。
 これが、見事です。
 
 勝負のどこにも、
 策略や策謀はありません。
 戦略はありますが、それは戦う身として当然のこと。
 けれど、土俵に立った彼らは真っ直ぐです。
 愚直といっていいほど、
 まっすぐに闘います。

「がんばれェッ!」

 土俵下の観客も、家族も、そう声援を送ります。
 渾身の力をこめた勝負をみせてくれる
 ふたりの力士へ届け、と――

 評判になっている御本です。
 賛否両論、いろいろあるようですが、
 読みつつ、思いました。

 まっすぐな人々を、
 まっすぐに描く。
 なんと、爽快であることか。

 ’07年後半、読み逃してはいけない一冊でしょう!
 勝負の行方、
 英明さんのすてきな家族さんたち
 (幼い琴世ちゃん、可愛さブッちぎりです!)、
 まるごとひっくるめて、
 一気に読破して下さい!

「はッけよォーいッ!のォ、にッぽんいちィ~!!」
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