テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2016!新春特別企画♪《テディオゲネス・クラブの冒険》その4!

2016-01-02 21:38:38 | 2016!新春特別企画♪
「こっ、これはいったい……??」

 大都市ロンドンでもとびきりの風変りでヘンテコリン、
 喧騒とお喋りを嫌い、
 沈黙を愛する《テディオゲネス・クラブ》。

 クラブ設立者のクマ仙人さんの呟きで、
 はい、2016新春特別企画最後の幕が切って落とされました!

「名探偵テディちゃムズ!
 いったいこれは、どういうことだねっ?」
 
  

 一座の視線を一身に集め、
 名探偵テディちゃムズ、
 高らかに、

「しょくんッ、しょうかいィしようゥ!

 こちらはァ、さるくんでス!」

  

 え? さる……? サル……猿、ですか……?

 テディちゃムズの盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の虎くんも、
 ちょこっと首を傾げます。
 《テディオゲネス・クラブ》の各種物品紛失事件は
 おサルさんが犯人……?

「いいやッ!
 ただのォ、おさるさんじゃァないィのだよゥ!」

 なぜか胸を張るテディちゃムズ。
 そう、このおサルさんの名前は――

「いわざるゥくんッ、なのだッ!」

  

「いわざる……?
 おお、それは、あの!」

 伝説の猿――いわざる。

 智慧あるゆえの沈黙を意味する、
 東洋の説話に登場するおサルさんです。
 兄のみざるくん、弟のきかざるくんとトリオを組み、
 諺&格言ベストランキングでは毎年BEST10入り!
 従兄弟のスーパーモンキー孫悟空くん同様、
 おサル界のアイドルとしても知られる人気おサルくんですね。

「ということは~…!」

「そうさッ!
 すべてはァ、るいともッ、なのだよゥ!」

 類は友を呼ぶ――ですか?

  

「かたやァ、だんまりィのォ、くまたちィ!
 かたやァ、だんまりィのォ、おさるさんッ!

 これはもうゥ、どうるいィじゃあないかッ!」

 ははぁ、なるほど、つまり。
 沈黙を愛するサルくんは、
 沈黙を第一ヶ条とする《テディオゲネス・クラブ》に惹かれ、
 勝手に住み込んでしまっていた、と、
 そういうワケなんですかしら?

「ふうむ。同好の士か!」

 師匠が弟子を眺めるように、
 目元を緩めるクマ仙人さん。
 なおも優しく、

「では、いわざるくん、
 君もこの《テディオゲネス・クラブ》に入会するかね?」

「!♪!♪!~♪」

 ああ、言葉にはならずとも、伝わる喜び。
 いわざるくんは喜色満面で頷いておりますよ。

「入会金なら気にしなくていい。
 マイクマフトくんが何とかするだろうて」

「ふぁいッ! しんぱいィはァ、ごむようゥでスゥ!」

 名探偵テディちゃムズ、
 にっかりと笑いました。

「おにぃちゃんはァ、ねんまつのォありまきねんでェ、
 おおもうけェしたのでスよッ!
 にゅうかいきんやァ、ねんかいきんくらいィ、
 ちょちょいのォ、ちょいィでしょうゥ!」

  

「げっ? ちょちょちょっ」

 そうかぁそうなのかぁ、
 じゃあマイクマフトさんに一任しちゃえば
 お高い入会金も年会費も大丈夫なんだねえ、
 競馬で大穴当てたなら有効活用しないと
 バチがあたるよねえ、
 そうだそうだぁ、と
 談話室では手打ちが始まりました。

「あ、いわざるくん、この書類に署名を。拇印でもよいぞ」
「がるるぐるる!」(←訳:手続き完了だ!)
「にゅうかいおめでとう!」
「♪!~♪」

 ちょちょちょ、ちょっと待ったぁ、
 と叫ぶマイクマフト氏をクマ仙人は叱ります。

「これ!大声を出すでない!
 ここは天下の《テディオゲネス・クラブ》じゃ!」

 さて、これにて事件はみごと解決。
 新年のロンドン市街にビッグベンの鐘の音が響き、
 ピカデリー広場でお祭り騒ぎが頂点に達するのを横目に、
 名探偵テディちゃムズ、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の虎くんは家路につきます。
 ベーカー街の我が家で、
 さあ、お祝いいたしましょう!

「みなさまァ、あけましてェおめでとうッ!!」


  ~ その5!(あるのか?)に続く! ~


  
コメント
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