テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ひたひた、と琥珀色が。

2016-01-15 21:39:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はではでェ~ぴんくゥ!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!目立ちまくり!)

 こんにちは、ネーさです。
 500m先からでもビビビっと視界に入ってくるアイツは……
 去年でしたか、TVCMでも話題になったピンク色のクラウン!
 いやー、初めて間近で拝見しましたけれど、
 本当の本当にピンクで……
 あ、御安心下さいな、
 本日の読書タイムのメインカラーは
 美しい琥珀色ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



         ―― 今宵もウイスキー ――



 編者は太田和彦(おおた・かずひこ)さん、2015年3月に発行されました。
 ウイスキーにまつわる随筆と短編小説17作品で構成されているこの御本の
 著者さんは、収録順に、せーのっ!

 田村隆一さん、景山民夫さん、山田風太郎さん、安岡章太郎さん、
 山本周五郎さん、黒澤和子さん、山口瞳さん、沢木耕太郎さん、
 椎名誠さん、伊集院静さん、宮本輝さん、太田和彦さん、小沼丹さん、
 開高健さん、吉村昭さん、小松左京さん、竹鶴政孝さん。

 ……ふぅー、
 なんかノルマ達成って感じがするわ。
 じゃ、今日はここらでネーさは帰――

「だめでスッだめでスゥ!」
「ぐっるぅがる!」(←訳:帰っちゃだめ!)

 え~?ダメなの?
 美味しいお酒についての随筆に
 ネーさの下手っぴぃな説明なんて不要だと思うんですけれど、
 じゃあ、ちょっとだけお喋りを。

 お酒――ことに、ウイスキー。

 収録されている作品は、
 田村隆一さんの詩、
 小松左京さんのSFに近い幻想的な小説を除けば、
 おおむね随筆作品です。

 いわば、著者さんたちそれぞれが体験し、
 心に抱いた思いを綴った作品、ですね。

 竹鶴政孝さんの『《ウイスキーと私》より』は、
 ニッカ創業に到るまでの半生記、
 とも申せましょうか。

「あはァ! まッさんおじさんッ!」
「がるるるぐっるる!」(←訳:ドラマになったよ!)

 好きが高じてウイスキーを造ってしまった御方、
 仕事仲間と浴びるようにホワイトホースを飲む映画監督さん、
 醸造所を訪ねて地の果て=スコットランドまで行っちゃう作家さん。
 
 収録作品のうち、
 名作として既に有名なものは
 沢木耕太郎さんの『トウモロコシ畑からの贈り物』ですね。
 
 時代小説の巨匠・山本周五郎さんの随筆『酒みずく』の
 出だしの文章はやや衝撃的です。
 なんといっても

  ――私はいま二週間以上も酒びたりになっている――

 だそうですから。

「のみすぎはァ、いけませんでスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:程々に!)

 他方、椎名誠さんの『シングルモルト怪快編』は
 ……怪奇実話?
 スコットランド旅行中の
 椎名さんと仲間たちの身に起こった超常現象!

「ひええええッ! これはッ」
「がるるるるぐるるがる!」(←訳:さりげなく本気で怖い!)

 しかしながら、
 読み手に最も“異郷の風景”を見せてくれるのは。

 景山民夫さんの
 『ネス湖の生一本、グレン・モーランジー』。

 ハイランドのひんやり冷たい風と、
 丘陵を走る車のタイヤの振動までが手に伝わってくるような、
 活き活きとした、それでいて儚くもある佳作です。

「さむゥ~いけれどォ」
「ぐっるるるがる!」(←訳:あったかいお話!)

 晴れてお酒が解禁になった新成人さん、
 ウイスキー大好きな御方、
 私ネーさのごとくお酒は飲めない~(涙)な方々にも、
 おすすめの一冊です。

 巻末の太田和彦さんによる
 『解説にかえて ウイスキー、六つの断章』も、
 ぜひ、じっくりと味わってくださいね~♪

 
 
コメント
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