テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

これは、おすすめ……できません?

2016-01-10 22:44:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、なげるぞッ、げんきだまァ!」
「がるる!ぐぅるぅるるるー!」(←訳:虎です!とぉりゃあああー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、伊のユヴェントスへ元気玉を送ったら、
 ユーヴェOBのジタンさんが指揮することになったレアルにも
 エールを送りたいですね♪
 あ、いけません、
 また海外サッカーブログになりかけちゃってますが、
 ここからは読書タ~イム!
 本日は、とっても痛快?な、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



        ―― このミステリーがひどい! ――



 著者は小谷野敦(こやの・あつし)さん、2015年8月に発行されました。
 『Why Do People Read Mystery Novels?』と英語題名が付されています。

 はい、誤字誤植ではありませんよ、
 私ネーさがキーを打ち間違えたのでもありません。
 御本の題名は、
 『ひどい!』です。

「すごいィ、でもないのでスよゥ!」
「ぐるる!がるる!」(←訳:ひどい!なのだ!)

 毎年、年末になると刊行される、
 『このミステリーが○×△!』
 とは、ちょっとどころか大いに違うこちらの『このミス』は、
 いうなれば、

 “確信犯”!

 です。
 なにしろ、御本の『まえがき』で、著者・小谷野さんは、

   そんな『すごい』ものが毎年ざくざく出るはずがないのである。

 と記しているんですから、
 これはもう――

「けんかだッけんかだッ!」
「がるぐっるるぅ!」(←訳:喧嘩売ってるぅ!)

 だけでなく、

   本書では基本的に『ネタバレ忌避』はしない

 とも宣言しているのです。
 つまり、ミステリ作品を論じるに当たって、
 ストーリーもトリックも遠慮なく明かしてしまう、という……

「やッぱりィ、けんかだッ!」
「ぐっるるるぅ~…!」(←訳:売ってるなぁ~…!)

 しかし、百戦錬磨&海千山千の《ミステリ読み》を自認する
 ミステリマニアさんには、
 小谷野さんの喧嘩宣言(果し状というべきでしょうか)、
 けっこう楽しめるかもしれません。

 第一章《いかにして私は推理小説嫌いとなったか》では
 ホームズさんを軽々とスルーし、
 乱歩さんもあっさりと片付け、
 クリスティさんを、あまりうまくない、と評し。

 第四章《松本清張、長編はあかんかった》では、
 清張さんをケナしておきながら誉め、
 誉めておきながらケナしたり。

「これはァもうゥ、まるでァ~」
「がるるる?」(←訳:プロレス?)

 世のミステリ作品に対して、
 著者・小谷野さんが、本当に題名通り、
 『ひどい!』
 と怒っているのか、
 『あ~あ、ひどいよなぁ~』
 と苦笑しているのか。

 そのあたりは、読み手の受け止め方次第、ですね。

「おおらかなァ、こころもちでェ~」
「ぐるるるるぅる!」(←訳:受けとめましょう!)

 ミステリのみならず、
 純文学から、SF、ファンタジー、
 映画やTVドラマなどなど。

 博識無類の著者さんによる
 近代日本文学の《よし》と《あし》とは?

 かさねがさね申し上げておきますが、
 この御本、ネタばれだらけの文芸評論書です。
 ミステリ初心者さんは、ええ、そのぅ、
 近寄らない方がいい、でしょうねえ。
 代わりに、ベテランのミステリ好きさんは
 挑戦してみるのも……アリでしょう。

 皆さま、覚悟の上で、一読を♪


 

 

  
 
コメント
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