テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《つもり》が、大事?

2017-11-07 22:08:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 りッとうゥなのにィ~」
「がるる!ぐるるるるーるがる!」(←訳:虎です!アイスクリーム日和!)

 こんにちは、ネーさです。
 立冬……のはずがポカポカ暖かかった今日は、
 アイスクリームが美味しく感じらる気温でしたね。
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのも、
 ポカポカと暖かく……かと思えば寒さにブルブル震えもする、
 とびっきりヘンテコなノンフィクション作品です。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  



        ―― 動物になって生きてみた ――



 著者はチャールズ・フォスターさん、
 原著は2016年に、日本語版は2017年8月に発行されました。
 英語原題は『BEING A BEAST』、
 2016年のイグ・ノーベル賞を著者・フォスターさんにもたらした
 この御本の内容は――

「ずばりィ!」
「ぐるがる!」(←訳:動物生活!)

 そうね、御本の題名が中身をも的確に表わしていますね。

 BEING A BEAST――
 一匹の、或いは一頭の、一羽の、
 野生動物になって生きてみよう!

「なッたつもりでェ~」
「がるるるぐる!」(←訳:暮らしてみる!)

 動物になった気分で森や川で暮らす、といっても、
 放浪生活をするわけではありません。

 実は著者のフォスターさん、
 なかなかスゴイ経歴の持ち主さんです。

 ケンビリッジ大学で獣医学と法学を学び、
 医療法と医療倫理の博士号を取得、
 そして獣医師さんをしながら
 法廷弁護士さんとして活動、
 また大学で医療法と倫理学を教え、
 雑誌のコラムニストさんでもあり、
 現在はオックスフォード大学のフェローさんである――

「ふァ?? どうぶつのォおいしゃさんでッ?」
「ぐるがるるるるる?」(←訳:法廷弁護士さんで?)
「けんぶりッじィからァ~?」
「ぐっるるるぅーるる?」(←訳:オックスフォードへ?)

 法廷弁護士さんが獣医さん、ていうところがね、
 本当にもう英国的というか、
 モンティパイソン的というか。

 そしてフォスターさん、
 モンティパイソン調の突飛な発想に大真面目で取り組みます。

  《野生動物として生きるとはどんなことなのだろう》

 この疑問を解き明かすべく、
 フォスターさんは
 ウェールズのアナグマになり、
 ロンドンのキツネになり、
 エクスムアのカワウソになり、
 はてはシカやツバメになって
 “生きて”みます。

 アナグマのように、巣穴を掘って、そこで眠る。

 カワウソのように、
 川に飛び込み、流され、川岸で寝転んで過ごす。

 アマツバメの心地になって、
 遠くはるかな空を望む――

「むちゃくちゃァだけどォ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:なんかステキだ!)

 ファスターさんを助けるのは
 大学の偉い先生たち……ではありません。

 フォスターさんのお子さんたちが、
 お父さんと一緒に、
 或いはお父さんにヒントを与えるかのように、
 御本のあちこちに登場しては
 動物たちとお父さんの距離を
 ぐいぐいと近付けてゆく……!

「うふっふッ♪ おとうさんよりもォ~」
「ぐるるるがるっ?」(←訳:頼もしいかもっ?)

 ヘンな研究と、言いたくば言え。
 
 けれど、なってみれば。
 なったつもりで眼を開け、耳をそばだててみれば。

 そこで初めて、
 見えて、聞こえてくるものもある。

「ちいさなァこえェ、だけどッ?」
「がるぐるるる!」(←訳:うん聞こえる!)

 フォスターさん一家の楽しい笑い声が響いてくるような、
 ちょっと不思議で、
 やっぱりどこか良い意味でヘンテコな
 動物ノンフィクション作品、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする