テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

これが、魔法の音色!

2017-11-30 22:10:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えええェ~ッ? じゅうゥにがつうゥ~??」
「がるる!ぐるるるる~る!」(←訳:虎です!信じらんな~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 いやー本当にもう、信じられないわよね~?
 明日から12月ですってぇ?嘘でしょお?
 と言いたくなる11月最後の読書タイムは、
 さあ、こちらの新書を、どうぞ~♪

  



       ―― ストラディヴァリとグァルネリ ――



 著者は中野雄(なかの・たけし)さん、2017年7月に発行されました。
 『ヴァイオリン千年の夢』と副題が付されています。

「ふァいッ! ねんまつはァ、あのきょくゥでスねッ!」
「ぐるる!」(←訳:第九だ!)

 そう、年の瀬になると聴こえてくるのは、
 ベートーヴェンさんの交響曲第九番、
 或いはチャイコフスキーさんのバレエ曲《くるみ割り人形》でしょうか。

 どちらもクラシック音楽ですが、
 そこで主役のごとく輝いているのは、
 およそ300年前に造られた、あの楽器――

「むせびィなくゥ~」
「がぅるるるる!」(←訳:ヴァイオリン!)

 楽器の世界の、
 ことに弦楽器の世界の巨匠とされているのは、
 
  アンドレア・アマティさん(1505?~1579)。

  アントニオ・ストラディヴァリさん(1644?~1737)。

  バルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリさん(1698~1744)。

 この御本では、アマティさんも登場しますけれど、
 おもに、アントニオ・ストラディヴァリさんと
 グァルネリさんこと通称グアルネリ・デル・ジュスさんの
 エピソードを中心に
 古今のヴァイオリン事情が綴られています。

「きちょうゥだしィ!」
「ぐるるる!」(←訳:お高いし!)

 楽器に於いて、
 値段の高さは“良い音”に直結します。

 先日、レオナルド・ダ・ヴィンチさんの絵画が
 500億円で落札されたように、
 ストラディヴァリさん、そして
 グァルネリ・デル・ジュスさんが製作したヴァイオリンとなれば、
 もう10億円くらいの価格は
 オークションでは珍しくもなくなりました。

 それは、何故なのか……?

「とくべつゥだからッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:唯一無二だから!)

 著者・中野さんは記します。

   《音楽家は、
    自分の持っている楽器の性能を超える演奏をすることが出来ない》。

 二流三流の楽器では
 一流の演奏は出来ない。

 一流の演奏には一流の、
 超一流の演奏には超一流の楽器が必要なのだ、と。

「そうかァ、それでッ!」
「ぐるがるるぐるるがるるる!」(←訳:みな最高の楽器を欲しがる!)

 誠実で温厚、
 93歳という長寿を全うしたアントニオ・ストラディヴァリさん。

 対照的に、
 わがままで怒りん坊、
 46歳の若さで没したグァルネリ・デル・ジュスさん。

 判明している限りの、ふたりの生涯。

 ふたりが製作した楽器の、数奇な運命。

 ストラディヴァリさんの、
 グァルネリさんのヴァイオリンを愛し、演奏した音楽家さん。
 そして、狂気さえ漂わせるコレクターさんたち。

 中野さんの筆は
 読み手を啞然とさせるエピソードを幾つも明かしてゆきます。

「ふゥ~…! ためいきィしちゃうのでス!」
「がるるぐるがる!」(←訳:楽器は魔物かも!)

 おそらく、
 このさき何百年も解けることはないと思われる
 ストラディヴァリさんとグァルネリさんの魔法。

 舞台を支配する、永遠の魔術――

 音楽好きさんも歴史好きさんも
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 おすすめですよ♪


 
コメント
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