テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

風神雷神の、まずは《風》!

2017-11-09 22:17:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いんたなしょなるゥうぃーくゥ、なのでス!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!頑張れイタリア!)

 こんにちは、ネーさです。
 イタリアのW杯予選突破が懸かるプレーオフ戦が
 現地時間10日(日本時間11日)に行われます。
 私ネーさ、もう今から元気玉を遠投すべく気合を入れておりますよ。
 本日の読書タイムも、
 ええ、気合と気魄のこもった長編作品を御紹介いたしましょう!
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 風神雷神 ――



 著者は柳広司(やなぎ・こうじ)さん、2017年8月に発行されました。
 今回は、『風の章』と『雷の章』から成るこの御本の、
 まずは、こちらから!
 
  


        ―― 風神雷神  風の章 ――


「むッ? ひょうしはァ、かみなりィさまァでスけどッ!」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:章題は風神さまです!)

 御本の表紙になっているのは、
 国宝『風神雷神図』
 (寛永年間中頃制作、建仁寺蔵、京都国立博物館寄託)。

 向かって左側が雷神さま、
 右側が風神さま、となっていていますが、
 『風の章』の表紙を飾っているのは、雷神さまです。

 おそらく、日本に生まれた日本国籍の方々はもとより、
 海外の多くのアート好きな方々も、
 この『風神雷神』の図像はよく知られていることでしょう、
 が。

 有名すぎる『風神雷神図』とは逆に、
 殆ど知られていないのが、
 作者の俵屋宗達(たわらや・そうたつ)さん。

「すごいィおかたァ、なのにィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:生没年不詳!)
「なぞォだらけッ!」

 宗達さんは不思議な画師さんです。

 安土桃山時代の後半から、
 江戸時代の初期にかけて活躍した画師さんたちには他に、
 狩野永徳さんたち狩野派の画師さんや
 長谷川等伯さんがおりますけれど、
 彼らに比べて、
 《謎》が多過ぎる、といったらいいんでしょうか。

 生年・没年ははっきりしないし、
 画の師匠は誰だったのか、独学で画を体得したのか、
 京都のお寺にある宗達さんのお墓は本物なのか、など
 《?》だらけのその生涯に――

 柳広司さんが挑む!

「なぞときィならァ、まかせましょゥ!」
「がるるる!」(←訳:柳さんに!)

 『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』他、
 傑作ミステリ《ジョーカー・ゲーム》シリーズで名を馳せた
 著者・柳さんがこの御本で描くのは、
 まだ画師・宗達さんになりきっていない、
 或る青年のものがたりです。

 幕開けは、これもまた日本史上に有名極まりない、
 《醍醐の花見》から。

「むぽッ♪ よいィおてんきィ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:花見日和だ!)

 お花見にうってつけの晴れた空の下、
 会場となった京都伏見の醍醐寺で、
 ぼんやり佇む人影が、ひとつ。

 花見の裏方仕事を請け負う京の扇屋さんの、
 次代を継ぐ坊っちゃん――
 ぼんさん、と呼ばれる存在なのですが……

「なんだかァ~?」
「がるぐる?」(←訳:影が薄い?)

 えっ? こんなおひとが?
 ポヤ~ンとした坊っちゃんが、
 もしかして、後の宗達さんになるの?

 と読み手に危機感を抱かせてしまう彼の名は、
 伊年(いねん)さん。

 彼がどうして、どうやって、
 画師・宗達さんに大化けするのか。

「しんぱいィでス!」
「ぐるるがるる?」(←訳:不安で胃痛が?)

 『風の章』に続く
 『雷の章』の御紹介は、
 はい、次回の読書タイムで!

 沸き起こる風の行方とその実りを、
 しばし、お待ちくださいね~♪

 
 
コメント
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