テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

そして《雷》!

2017-11-10 22:19:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かちぐりィ~!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!勝ち栗!)

 こんにちは、ネーさです。
 サッカー伊代表チームの勝利を招くべく、
 今日は栗ごはんを炊きました。
 勝て!勝ち上がるんだアズーリ(←伊A代表の愛称です)……!
 必勝祈願しながらの本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 風神雷神 ――



 著者は柳広司(やなぎ・こうじ)さん、2017年8月に発行されました。
 全開記事で御紹介しました『風神雷神 風の章』に続いて、
 今回は――

  


         ―― 風神雷神 雷の章 ――

 
 はい、来ました!
 最も“日本美”らしい“日本美”の画境を切り拓いたクリエイター
 俵屋宗達(たわらや・そうたつ)さんの生涯を描く
 『風神雷神』後編です。

「こくほうゥでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:本当の宝物!)

 ちょうどいま、京都の国立博物館では『国宝展』が開催中で、
 連日ものすごーい行列ができているそうですが、
 まさに、その地――京都が、
 『風神雷神』の、もうひとつの主役さんです。

 『風の章』前半部で登場したは、
 扇を商うお店・俵屋さんの養子となったものの、
 いまだ、お坊っちゃん扱いされる
 ヒヨっ子の宗達さんでした。

 そのお坊ちゃんを変えたのは、
 人との出逢い――

 たとえば、出雲阿国さんとの。

 たとえば、本阿弥光悦さんとの。

 奇跡のような、
 或いは、これこそ運命の導きであったというべき出逢いから、
 扇屋のお坊ちゃんは、
 俵屋宗達という蝶へと
 脱皮を遂げたのですけれど。

「もうゥいッぺんッ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:変身しなくちゃ!)

 『風の章』で宗達さんが出逢ったのは、
 京都の、《町》を拠りどころとする人々だった、
 と言えるでしょうか。

 対して、こちらの『雷の章』で
 宗達さんが出逢うのは。

 京都の《御所》を拠りどころとする人々です。

「えッ? それはァ、つまりィ??」
「ぐるがるっ?」(←訳:貴族さまっ?)

 本阿弥光悦さん、
 そして幼なじみたちと組んでの仕事で名を高め、
 また私生活も次第に充実してゆく宗達さんの前に
 或る公卿さんが現れました。

 となれば、宗達さんは覗かない訳にはゆかなくなるのです。

 御所に伝わる美。
 宮中の美。

 そういった伝統の美と直に接した宗達さんが、
 次に進むべきステージは……?

「よりィ、こんなんッ!」
「がるぐる!」(←訳:より峻嶮!)

 『風の章』一冊だけでも
 完成度の高い“或る画師の生涯”が、
 この『雷の章』を得て、
 いちだんと鋭く、輝かしい物語になりました。

 ミステリ作品《ジョーカー・ゲーム》シリーズに慣れている御方は、
 うん?と驚くかもしれません。
 しかし、謎の多い――すなわちミステリアスな
 ひとりの画師の素顔を探る意欲的な大作を、
 小説好きな活字マニアさん、
 そしてアート好きな皆さまも、
 どうか、ぜひ一読を♪


 
コメント
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