テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 美貌とカメレオン ―

2019-04-07 22:06:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、おはなみィびよりィ~♪」
「がるる!ぐるがるるる~♫」(←訳:虎です!風もほんわか~♫)

 こんにちは、ネーさです。
 今日は遠出を控え、
 JR八王子駅近くの枝垂桜を観賞するに留めました。
 華やかなピンク色のお花も良いなぁ~と見上げては、
 首をマッサージしつつ(お花見って首が凝るわね)、
 さあ、ここからは読書タイムです。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!
 
  


 
       ―― 美と破壊の女優 京マチ子 ――



 著者は北村匡平(きたむら・きょうへい)さん、2019年2月に発行されました。
 20世紀後半、特に1950年代の日本映画といえば、
 それは、ちょうど――

「おうごんじだいィでス!」
「ぐるるるるがる~!」(←訳:ものスゴい活気~!)

 熱気と活気に包まれたその時代を、
 私ネーさ、実体験は出来ませんでしたけれども、
 映画関連の書籍を読めば、
 当時の空気のいくらかは想像できます。

 新聞やラジオはあっても、
 TV・電話機はまだ一般家庭に行き渡っていなかったころ。
 娯楽の王さまは映画で、
 映画館は人であふれ、
 次々と新作が封切られてゆく。

 そうして、1950年、朗報が!

「ぐらんぷりィ、かくとくゥ!」
「がぅるるぅるぐるるがるるる!」(←訳:ヴェネツィア映画祭金獅子賞!)

 黒澤明さん監督作品『羅生門』(1950年8月公開)が、
 ヴェネツィア映画祭でグランプリ(サン・マルコ金獅子賞)を
 獲得したのです。

 日本の映画界にとって、
 いえ、第二次世界大戦後の日本という国にとって、
 非常に喜ばしいニュースでした。

「ひょうかァされてェ、うれしいィ!」
「ぐるーるがる!」(←訳:スターも誕生!)

 そう、映画祭でグランプリを得たことで、
 新たなスター――海外にも誇れるスターが誕生したのです。

 監督の黒澤さん、
 演者の三船敏郎さん、森雅行さん、志村喬さん、
 そして……京マチ子さん。

「うむゥ! ちょうゥいちりゅうゥ!」
「がるるぐるるるがるー!」(←訳:世界に通用するスター!)

 ただ、『羅生門』出演より前に、
 京マチ子さんは国内で大人気の
 スター女優さんだったのですけれども。

 『羅生門』で演じたような、
 “古典的な日本女性”の役柄ではなく、
 グラマラスな“肉体派”女優として、だったのです。

「いめーじィ、ちがいィすぎィ?」
「ぐるがるぐるるる?」(←訳:その差はどこから?)

 大阪松竹歌劇団に入団し、
 ダンサーのひとりとして舞台デビューした京マチ子さんは、
 大映に引き抜かれ、
 スターの道を歩み始めました。

 京マチ子さんの出演歴は、“異様”とさえ形容できます。

 日本の四代巨匠と呼ばれる
 黒澤明さん・溝口健二さん・小津安二郎さん・成瀬巳喜男さん。

 京マチ子さんと同時代のスター女優さんには、
 高峰秀子さん、原節子さん、若尾文子さんがいて。

 でも、高峰さんや原さんは溝口映画に出演する機会がなく。
 若尾さんは黒澤映画に出演しておらず。
 ただ京マチ子さんだけが、
 四代巨匠の映画に主演している、と
 著者・北村さんは指摘するのです。

 映画人には羨望でしかないそんな快挙をやってのけた俳優――
 京マチ子さんとは、
 どんな人物なのか。

 いったいどんな役者さんだったのだろうか――

「どんなァやくがらァもッ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:やり遂げてみせる!)

 ひとりの偉大な女優さんの功績を
 敬愛をもって追いかける労作は、
 映画好きな方々に、
 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね~!
 
 
  
コメント
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