テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《謎》に、千両? ~

2019-04-04 23:19:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あいすくりーむゥ、おいしそうゥ~♪」
「がるる!ぐるるがるるるぐる!」(←訳:虎です!今日も朝ドラに夢中!)

 こんにちは、ネーさです。
 帯広……十勝……お菓子屋さん……となれば、
 今季の朝ドラのモデルは『六花亭』さんだわね!
 このまま日本の洋菓子開発史ドラマにしちゃえばいいのに~!
 などと妄想しながら、
 さあ、今日も読書タイムです。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♫
 
  

  


 
     ―― 撫子(なでしこ)が斬る! 上・下 ――



 編者は日本ペンクラブの皆さん、選者は宮部みゆきさん、
 2018年12月に発行されました。
 『女性作家捕物帳アンソロジー』と副題が付されています。
 著者は(せーの!)
 上巻が、宇江佐真理さん、北原亞以子さん、澤田瞳子さん、澤田ふじ子さん、
     杉本章子さん、藤水名子さん、藤原緋沙子さん、宮部みゆきさん。
 下巻には、杉本苑子さん、築山桂さん、畠中恵さん、平岩弓枝さん、
     松井今朝子さん、諸田玲子さん、山崎洋子さん。

「じょせいィさッかさんのォ~」
「ぐるるる!」(←訳:捕物帳咄!)

 2005年に光文社さんから刊行されたアンソロジーを
 再文庫化したこの『撫子が斬る』、
 表紙のイラストだけ見てしまうと、

 江戸っ娘の冒険アクション?
 斬り合いあり殺陣ありの大活劇なの?
 という感じですが……。

「ちがいィまスゥ~!」
「がるるぐるる~!」(←訳:基本は捕物帳~!)

 はい、《捕物帳》です。
 そしてまた、《捕物帳》といえば大方が、
 主役は十手を構えた親分さん、
 なんですけれども、
 短篇15作品から成るこのアンソロジーでは、
 髪結いさん、
 病弱な若旦那さん、
 女性医師さん(薬剤師さんというべきでしょうか)、
 かつては奉行所の同心さんで現在は寮番さん、など
 バラエティに富んだ顔触れが
 “悪を倒す!”べく頑張ります。

 ただ、作者が女性であるから、でしょうか。
 どの作品でも、
 物語の鍵を握っているのは……女性?

「ぐるがる~!」(←訳:脇役でも~!)
「ぐるがる!」(←訳:重要人物!)

 その一例として御紹介したいのは、
 上巻に収録されている
 宮部みゆきさん著『鰹千両(かつおせんりょう)』。

 季節は五月、
 初鰹の話題で江戸の町は持ちきり、
 茂七(もしち)親分も、
 うちでも鰹の切り身を買おうかと悩んだりする
 晴れやかな日に。

 奇妙なことが起こりました。

 旧知の魚屋さんが
 茂七さんに相談事を持ち込んだのです。

   親分さん、
   或るお客さんが、
   鰹を売ってくれ、というんですが。
  
「うんうんッ、さかなやさんッ、でスもんッ!」
「がるるるるぅ!」(←訳:売らなくちゃ!)

   千両で買う、って言うんです。

   鰹一本に千両出す、って。

「……ふァ?」
「……ぐるぅ?」

 たった鰹一本ぽっちに、
 千両って。
 いくら何でもまともじゃねえぞ、そいつは。

 魚屋さん自身さえそう思うほどの、
 胡乱な商談。

 怪しい、おかしい、
 係わり合いになるべきじゃあない、と
 分かってはいても……千両という大金が手元にあったら。

 妻と娘に、もっといい暮らしをさせてやれる。
 良い着物に家、おまんまも、
 明日を思い煩うことも、
 もうみんな大丈夫――
 いや、でも?

「やぱりィ、あぶないィ!」
「がるぐるる!」(←訳:胡散臭いよ!)

 鰹に、千両。

 奇妙な話の裏に、いったい何があるのか?

 宮部さんの『鰹千両』をはじめ、
 魅力的な謎&解決が描き出される
 捕物帳アンソロジーは
 時代小説好きな方々、
 ミステリ好きな方々におすすめです。
 捕物帳初心者さんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
 
コメント
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