テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

タコもイカも、アンモナイトも、考える?

2019-04-23 22:08:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 たいへんなァ、にぎわいィ~でスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:佳き日でした!)

 こんにちは、ネーさです。
 天皇皇后両陛下が御陵へいらっしゃった今日は、
 御姿を一目!と遠方から八王子を訪れた方々も多く、
 私たちも特別な感慨をおぼえました……
 平成が平和のうちに過ぎ、
 新たな時代も穏やかなものでありますようにと祈りながら、
 本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  


 
          ―― タコの心身問題 ――



 著者はピーター・ゴドフリー=スミスさん、
 原著は2016年に、日本語版は2018年11月に発行されました。
 英語原題は
 『OTHER MINDS The Octopus,the Sea,and the Deep Origins of Consciousness』
 『頭足類から考える意識の起源』と日本語副題が付されています。

「いまァ、わだいィ~なのでス!」
「ぐるるがるぐるるる?」(←訳:タコに心はあるのか?)

 前回記事では
 映画『2001年宇宙の旅』製作の過程をつぶさに明かす
 ノンフィクション作品をご紹介いたしました。

 思えば、『2001年宇宙の旅』のテーマも
 《生命とは?》でありましたけれど、
 海洋学者……ではなく、
 生物哲学を専門とする著者ゴドフリー=スミスさんが
 この御本で掲げるテーマも、

 《生命のふしぎ》

 であると申せましょうか。

「たことォ、にんげんッ?」
「がるぐるるるるるがるるる~…」(←訳:同じ生きものではあるけど~…」
「いろいろォ、ちがうゥのでス!」

 タコやイカ、それにオウムガイなどは、
 《頭足類(とうそくるい)》に分類されます。

 《頭足類》って、とても歴史が古くて、
 例えば、アンモナイトも《頭足類》だったのね。
 つまり、ヒトよりもよほど昔から
 地球に住み暮らしていた生物が《頭足類》なんです。

 彼らとヒトは何千万年かの時を
 “地球で同居”してきた仲な訳であって、でも……

「とおいィそんざいィ、なのでスゥ~…」
「ぐるるがるるるぐるる……」(←訳:いまだ意思疎通ならず……)

   タコになったら、
   どんな気分なのだろう?

 著者ゴドフリー=スミスさんは問います。

   タコになったらどんな気分……
   うん? そもそもタコに“気分”はあるのか?
   心を、彼らは持っているのか?

「ううゥ~むゥ?
 もッてるゥ~…かなッ?」
「がるるるぐるる?」(←訳:ありそうだよね?)

 ありそうだよね~あってもいいじゃん、
 と単純に考えてしまうのは、
 私たちが非西洋圏に生まれついた日本人だから、
 かもしれませんが、
 シドニー生まれ、米国の一流大学で教授職を務めた著者さんは、
 タコたちを観察し、
 彼らのこころの有無を、
 言葉や社会生活の有無を探ります。

「ふむふむッ! たこのせかいィもォ~!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:いろいろあるぞ!)

 ゴドフリー=スミスさんが
 オクトポリスと名付けたタコたちの居住地があったり、
 タコたちが仲間を一匹一匹識別しているらしい、
 と研究結果が出ていたり、
 といった事々を知るにつれ、
 読み手としては

   タコにはこころがある!

 と断言したくなってきますが、
 はたして、真相は……?

「まだまだァ、みえこないィ??」
「がるぐる~!」(←訳:謎は深い~!)

 生命と、こころ。
 生物の起源と歴史。
 
 科学好きな活字マニアさんに、
 動物好きな方々にも
 おすすめのノンフィクション作品です。
 連休の読書リストに、
 ぜひ、加えてみてくださいね♪
 
 
 
コメント
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