テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 忘れじの 今日と明日 ―

2019-04-05 22:11:26 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 わほほォ~いッ♪」
「がるる!ぐっる~る!」(←訳:虎です!やっほ~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 都心部に遅れること数日、
 ここ八王子のソメイヨシノもやっと7~8分咲きになりました。
 今週末、特に日曜日あたりが見頃でしょうか♫
 あらためての春爛漫気分に浸りながら、
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらのSF作品を、どうぞ~!
 
  


 
          ―― 生まれ変わり ――



 著者はケン・リュウさん、2019年2月に発行されました。
 英語原題は『THE REBORN AND OTHER STORIES』、
 『紙の動物園』『母の記憶に』に続く
 日本オリジナルのケン・リュウさんの作品集第3作目です。

「にほんでェ、だいにんきィでス!」
「ぐるがるるるるるぐるがる!」(←訳:年間ランキングの常連さん!)

 2017年に刊行された『母の記憶に』は、
 私ネーさ、表題作品である『母の記憶に』が印象に残り、
 2010年代のBEST SFの一つじゃないかしらと
 確信しているんですけど、
 いえ、していたんですけど。

 ……また来ちゃったわ……。
 リュウさんのこの御本『生まれ変わり』も、
 やはりやはり、
 表題作品がすごいことになっちゃってます!

「これはァ、えすえふゥなのでスかッ?」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:完全に文芸作品だよ!)

 収録作品20篇のうち、
 いちばん初めに置かれているんですから、
 読み手のこころをがしりと掴んで離さないのが、
 『生まれ変わり』。

 巻末の『編者あとがき』によれば、
 2014年1月に発表されたこの作品は、
 画家リチャード・アンダースンさんの絵にインスパイアされた作品を
 作家さんに書いてもらう、という
 《アンダースン・プロジェクト》の中の一篇なのだそうです。

「だからァ、でスねッ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:とっても絵画的!)

 物語の舞台は、
 遠い未来なのか、
 それともごく近い未来、なのか――

 そこでは、もはや地球の命運を握っているのは、
 人間ではありません。

 異星からの訪問者トウニン人と、
 人間――地球人が共生している世界。

 いえ、事実上の“支配者”は、
 トウニン人のようですから、
 人間は地球の“王座”から滑り落ちてしまったのでしょう。

「でもォ、ものごとにはァ~…」
「がるっるるるぐるるがるる!」(←訳:反動っていう現象もあるよ!)

 悪しき記憶を消去して
 新しい自分に生まれ変わる《Reborn》技術を、
 トウニン人は有しています。

 その技術と結果を、
 受け入れるひとと、
 受け入れない――受け入れたくないひと。
 
 受け入れたくない側の《異種憎悪主義者》たちが
 事件を起こしたために、
 トウニン保護局の特別捜査官ジョシュア・レノンさんは
 調査を始めます、が……。

「さすぺんすゥ!」
「ぐるーるる!」(←訳:ノワールだ!)

 ジョシュア――旧約聖書風に呼ぶなら、ヨシュア。
 古代ヘブライ人の指導者にして
 モーゼの後継者たるヨシュアと同じ名であることは、
 何か意味を持つのか、ただの偶然なのか。

 不穏な、事件の余波さめぬ街での捜査が、
 ジョシュアさんに告げるものとは――?

「ふうゥ! おもたいィ~!」
「がるぐるる!」(←訳:重厚だねえ!)

 もちろん『生まれ変わり』以外の作品も
 ヘヴィー級の読み応えです。
 全活字マニアさんに激おすすめしたい一冊を、
 春の読書リストに、ぜひ♪

 
 
 
コメント
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