テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

光と、花の庭。

2019-09-09 22:27:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おみまいィもうしあげまスゥ!」
「がるる!ぐるがるるぅ~…」(←訳:虎です!でも茹だるぅ~…)

 こんにちは、ネーさです。
 皆さま、ご無事でしょうか。
 ここ八王子では、台風15号による被害は
 あまり無かったものの、
 9月らしからぬ暑さにアタマがクラクラしています。
 熱中症にならぬよう、冷たい飲み物を用意したら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 原田マハの印象派物語 ――



 著者は原田マハさん、2019年6月に発行されました。
 『7histoires d'impressionnistes』と仏語題名が付されています。

「しょうせつゥでスかァ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:美術ガイド本?)

 この御本の本文は4つのパートに分かれています。

 先ずは、印象派の作品に出会える美術館の紹介。

 『愚かものたちのセブン・ストーリーズ』と題された
 7人の画家さんの《物語》。

 著者・原田さんが辿る《ノルマンディー紀行》。

 そして、2017年4月に行われた
 三菱一号館美術館館長の高橋明也さんと
 原田さんの対談
 《人生にただ一度しかない展覧会》
 が収録されています。

 『セブン・ストーリーズ』には
 小説的な描写が織り込まれ、
 美術館を紹介する部分と《ノルマンディー紀行》は
 ノンフィクションですから、
 この御本が狙っているのは
 フィクションとノンフィクションの
 “いいとこどり”でしょうか。

「おしゃしんッ、わんだふるゥ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:これいいなぁ!)

 美術の教科書にあるような
 “お行儀の良い”写真ではなく、
 それゆえにじっと見入ってしまうのが、
 本文6ページの
 『14歳の小さな踊り子』です。

 油彩やパステル、素描など、
 数多くの踊り子(バレリーナ)を描いたドガさんの、
 これは立体作品――ブロンズ像なのですけれど、
 ブロンズの表面の質感、
 衣装のしわ、
 髪に着けたリボンの結び目までもくっきり捉えられて、
 いまにも『小さな踊り子』が
 ふっと動き出しそうな……。

「いきてるゥみたいィ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:凄いよぅ!)

 そのドガさんも登場するのは、
 《愚かものたちのセブン・ストーリーズ》。

 《モネの物語》
 《ベルト・モリゾとマネの物語》
 《メアリー・カサットとドガの物語》
 《ルノワールの物語》
 《カイユボットの物語》
 《セザンヌの物語》
 《ゴッホの物語》

 という、
 7つの《物語》では、
 画家さんたちの年表、代表作の図版と併せて、
 原田さんが“幻視”した
 《世界でいちばん美しい愚かものたち》の生涯が
 敬愛の思いとともに語られます。

「どのォおはなしィもォ~」
「がるるぐっるぅる~♪」(←訳:好きになっちゃう~♪)

 花々が咲き、柳が揺れるモネさんのお庭、
 エトルタの崖と、
 オンフルールの港。

 写真も文章も、
 高橋さん×原田さんの対談も、
 印象派好きな御方、
 19世紀フランス美術好きな方々には
 ぜひのおすすめですよ。
 本屋さんで、図書館で、
 探してみてくださいね。
 
 

  
コメント
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