テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 迷宮に響くは、キノコの足音 ~

2019-09-17 23:03:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さッそくゥ、つーるろすゥ、なのでスゥ!」
「がるる!ぐるるるるる~…」(←訳:虎です!寂しいなあ~…)

 こんにちは、ネーさです。
 ジロ・ディ・イタリアもツール・ド・フランスも
 ブエルタ・ア・エスパーニャも終わってしまって、
 すっかり《グランツール・ロス》状態ですが……
 そんな日の読書タイムは、
 ガッツ&ファイトあふれるこちらのコミック作品を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
        ―― ダンジョン飯 8 ――



 著者は九井諒子(くい・りょうこ)さん、
 2019年9月に発行されました。
 はい、食欲の秋にはこの一冊!
 地下迷宮をウロつく魔物どもを
 軽快に捌いて、炙って、塩と胡椒をひと振りして――

「いただきまスッ!」
「ぐるる!」(←訳:パクリ!)

 妹を救い出すべく、
 “狂乱の魔術師”が支配する迷宮の深層世界へ、
 一歩また一歩と踏み込んでゆく
 ライオスさんと仲間たち。

 この第8巻では……
 いやあ、私ネーさ、感嘆いたしましたよ。

 よもや、
 《チェンジリング》に
 このような解釈が有り得るとは!

「むッ? ちぇんじりんぐゥ??」
「がるるるるるぐる?」(←訳:取り替え子のこと?)

 妖精や魔物のいたずらによって、
 子どもが取り換えられてしまう、
 というような出来事を
 《チェンジリング》と呼んだりしますね。

 古くは、吟遊詩人さんがバラッドに歌い、
 童話や小説、映画でも
 描かれてきた《チェンジリング》。

 日本では、泉鏡花さんの『龍澤譚』が
 一種の《チェンジリング》ストーリーであろうと
 私には思われるのですが。

 この『ダンジョン飯』第8巻を“支配”するのも
 まさにその、
 《チェンジリング》現象です。

「いつのォまにかッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:自分が他人に!)

 第7巻の終盤で登場した
 魔性のキノコ“チェンジリング”のチカラで、
 ライオスさんたち一行は
 《チェンジリング》を実体験する羽目になりました。

 困ったライオスさんたちは、
 いろいろ足掻いた挙句、
 どうにか元の姿へと戻って、
 めでたしめでたし、じゃあ冒険を再開しよう――
 と、普通ならそんなオチになるのでしょうけれど。

 普通じゃないのが、
 この『ダンジョン飯』です。

   《チェンジリング》とは何なのか。
   どういう仕組みで
   こんな現象が起きるのか。

 そういった究明と考察に留まらず、
 ライオスさんたちは
 さらに“その先”を見据えます。

   《チェンジリング》現象を制御し、
   利用することはできないだろうか……?

「わほッ、なァるほどッ!」
「がるるぐる!」(←訳:新機軸だね!)

 小さな子どもたちが
 《チェンジリング》な目に遭って
 ただ泣いているだけの時代はもう終わった、
 と誇らしくに宣言するかのような
 迷宮の探検と冒険は、
 しかし……まだまだ前途多難な雲行きです。

 迷宮の魔力に取り込まれつつある妹さんは、どうなる?
 エルフたちの介入と、
 “狂乱の魔術師”の反撃は?
 
 ミスタリアスな物語や
 ファンタジー好きな御方におすすめの
 異色コミックを、
 皆さま、ぜひ~♪
 
 
 
 
コメント
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